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津田紀芳の蔵元レポート
蔵 元 探 訪
このコ−ナーは私が実際に訪れた蔵元さんを御紹介いたします。

「島岡酒造に行く」 2017年1月22日(第166回)

 先日の日曜日1月22日、群馬県の島岡酒造さんを数年ぶりに訪問しました。というのも、島岡さんの蔵は、毎年二月上旬には甑倒しするほど、他所の蔵に比べると早く造りが終了します。

 それで二月頃は、東北の方は雪が多くて廻れないので、ついでで伺うチャンスがありませんでした。今回は栃木県宇都宮市の知り合いの酒屋さんが、新しいお店をオープンしたので、そのお祝いを兼ねて行くことが出来ました。

 前日から東京入りしていましたので、ホテルを出てそのまま新幹線で宇都宮に行き、レンタカーを借りて移動しました。お昼頃までその酒屋さんにお邪魔してその後、鹿沼インターから東北自動車道に乗り、北関東自動車道経由で群馬県太田市まで行きます。距離にして70kmちょっと、1時間半ほどで到着しました。


 今年蔵では20本の仕込があるそうで、昨年は19本だったので毎年微増だそうです。伺ったのが2時頃でしたので、翌日の掛米の洗米をしているところでした。約10kgずつ袋に取って、プラスチックの桶につける限定吸水の作業です。その仕込に使われるお米は「群馬若水」で50%精米のお米は心白が大きいので、そのくらいで壊れやすく、割れやすいお米です。ですから洗米には相当気を使っているようでした。

 一昨年より杜氏の布施さんは来るものの、その他の藏人は地元の若者を雇用して酒造りをしているそうです。また昨年より来るようになった2人が「やる気」があり、いい戦力になってるそうです。


 60%までの純米の仕込はすべてタンクでの本仕込に移り、残っているのは50%の純米と純米吟醸淡緑だけとなったそうです。仕込蔵は、醪の香りが充満していて、鼻腔をくすぐります。60%までは7号酵母で仕込まれていまして、50%は9号酵母を使用するそうです。60%純米・7号酵母の醪を嗅がせて貰いましたが、9号酵母のようなフルーツのような吟醸香が漂います。やはり7号でちゃんと造られたお酒は素晴らしいことが良く分かります。

 続いて50%・9号酵母の醪を嗅ぎましたが、こちらも素晴らしい香りがします。数年前に9号酵母の元である香露酵母を使った際は、酸が出すぎてこの藏には適していないことが分かったそうです。香露の酵母は「高温糖化」などに適しているので山廃のような低温の醪では難しいのでしょう。


 そこから麹室・もと場・槽場を見学して、最後に試飲させて貰いましたが、ブレンドせずに取っている山廃本醸造のタンクがとっても素晴らしく、これを生で出したら、相当美味しいだろうなと感心しました。ただ残念なことに、このタンクだけでの発売はしないで、最終的に他のタンクとブレンドしてしまうとのこと。

 群馬泉の山廃は他の蔵のように酸が強く、こてこての味わいでなく、極めてナチュラルそしてスムーズなので、その方面を求める方には、向いてないかもしれませんが、私にとってはまさにこのお酒こそが山廃の本来の姿と思わせる旨さと綺麗さが両立しています。

 その一片を感じさせるのは粕歩合の高さです。ベースの山廃本醸造で45%くらいものによっては50%を越す粕が出るそうです。なので群馬泉の酒粕はドボドボで、地元では手に入らないほど人気があるそうです。米はしっかり溶かして、旨味を出しながら搾りは少しでも苦味を感じたらその時点でやめるそうで、槽にある時間はわずか6時間ほどと、なんとも贅沢なお酒です。

 そうして出来上がったお酒は山廃本醸造で1年以上タンクで熟成させ、山廃純米・超特撰純米に至っては2年以上熟成させてからの出荷となります。このこだわりが変わらぬ味わいを醸しているのだと思いました。

 2時間ほどお邪魔して、いろいろな話をさせて貰い蔵を後にしました。

             島岡専務、お忙しいところありがとうございました。


「西岡酒造店に行く」 2016年3月24日(第165回)

 先日、新規お取引となる高知県の西岡酒造店さんにお邪魔しました。それにしても高知県は隣の県(海を渡りますが)でありながら、遠いところです。

 3月24日朝6時に家を出て、四国に渡るため国道九四フェリーを利用するのが便利なので佐賀関港に向かいました。ナビですと1時間半ほどかかるとのことなので、8時のフェリーに乗るには30分前に着かないといけないそうなので、6時に出た訳ですが、高速利用したので15分ほど早く着いてしまいました。

 なぜ国道九四フェリーというのか?
 起点である高知市から須崎市にかけてと、愛媛県の大洲市内の一部では共に国道56号線と重複している。また四国・九州間の豊後水道は海上国道方式で、旧日本道路公団が開設し後に、民間事業者の国道九四フェリー移管したフェリー航路によって三崎・佐賀関港間が結ばれている。(ウィキペディアより)

 波が高い所為か、10分ほど遅れて9時20分過ぎに三崎に着きましたが、そこから八幡浜〜大洲〜檮原とひたすら走ります。交通量が少ないので運転は楽なのですが、峠なので前に遅い車がいると大変です。そして途中からナビに騙されて県道19号線に入り、さらに狭い峠道の県道41号に導かれ、さんざんな思いをして蔵のある中土佐町に12時半頃着きました。

 蔵に着くと西岡大介さんが待っていて、すぐに蔵の中を案内してくれました。蔵の建物は、築230年と県内の蔵(合併していない)では、最古の蔵だそうです。この藏で1000kg仕込を50本くらい仕込んでいるとのことで、今年はすでに皆造したそうです。まだまだ手を入れなければならないところもあるようですが、出来る範囲で改良していくとのこと、酒質に影響するところから先に取り掛かって欲しいものです。

 見学したあとで今年のお酒を利かせて貰いましたが、生酒に関しては本当に美味く、うちのどのお酒にも引けを取らない事を確信しました。また火入れしたお酒はまだ渋く、夏を越すと美味しくなるだろうと予測出来ました。なのでとりあえず生酒の純米酒・純米吟醸・吟醸酒を仕入れることにしました。乞うご期待ください。

 中土佐町は青柳裕介さんの「土佐の一本釣り」で有名になった久礼漁港があるところです。そこに大正市場という小さな市場があり、そこの魚屋さんに並んでいるものを注文して、向かいの食事処で食べるというシステムらしく、新鮮な魚を安く提供して貰えます。そこでお昼ごはんをご馳走になりましたが、初めて食べたウツボの湯引きやトビウオの刺身など、珍しい食材を堪能しました。

 それから6000人が暮らすという町を見渡せる丘に登ったり、昭和の景観が残る街中を散策して15時前に蔵を後にしました。

          西岡さん大変お世話になりました。



2015年10月 大石酒造・尾込商店に行く 2015年10月25日(第164回)

<前回掲載文>
 午後4時過ぎに蔵を出て宿泊地の鹿児島市内に向かって車を走らせました。鹿児島のホテルに着いたのは午後6時半頃でした。本日の走行距離461kmでした。


<ここから今回>
 翌10月25日は朝9時過ぎにホテルを出て、阿久根市の大石酒造さんを目指しました。鹿児島からは薩摩川内市の北のハズレまで南九州道が開通しているので、いままで2時間以上かかっていたのですが、一時間半ほどで行けるようになりました。11時前に蔵に着いて事務所を訪ねると、あいにく大石社長はお留守でしたが、北川工場長がいらっしゃったので、挨拶をして蔵の中を案内して貰いました。

 日曜日にもかかわらず、仕込が続いていまして、蔵では数人の藏人さんが作業をしていました。この藏ではレギュラー以外は一次も二次も甕で仕込む商品が数種類あるそうで、この日は黒麹の一次仕込をしていました。ある程度黒麹が続いたら、その次は白麹という風に交互に麹を使い分けて仕込をしているそうです。

 蔵には、大きな変更点はありませんでしたが、この日はじっくりと兜釜蒸留器の説明をしていただき、いままでおぼろげながら分かっていた蒸留方法がハッキリと認識出来ました。

 事務所に戻り暫くすると大石社長が戻ってこられて、ちょっと話をしましたが、ここ数年地区の自治会長をされているということで、そちらの仕事が忙しいということでした。450戸ほどの自治会らしいので大変でしょうね。うちは20戸ほどの自治会ですが、それでも面倒なのですから。

 数年に一度くらいお伺いしないと申し訳ないのでお邪魔していますが、お忙しい時期なのでかえってご迷惑かなと思いつつ・・・12時でお昼にかかりそうでしたので、一時間程の滞在で蔵をあとにしました。


 お昼を食べて、次に目指すのは南さつま市の尾込商店さんです。本来なら尾込商店〜大石酒造というルートが、大分に帰るには都合が良かったのですが、尾込社長が仕込の都合で、お昼2時以降しか時間が空かないということで、このルートになりました。


 再び南九州道に乗り鹿児島インターで降りて、指宿有料道路を経由して谷山インターで降りて県道20号線から県道19号線で川辺の蔵に向かいました。

 14時過ぎに蔵に着くと尾込社長は蔵に入って仕事中でしたが、しばらくすると下りてきましたので、少し話をして蔵を案内して貰いました。ここも大きな変更点はありませんでしたが、蒸留器に少し手を入れながら試行錯誤の途中でした。

 蒸留器は焼酎の味に大きく影響するので、慎重にならざるをえませんが、従来のホーロー製の2台の蒸留器が現役で使えているうちに、他の2台の蒸留器を調整しているのですが、なかなか思うような蒸留が出来なくて苦労しているようです。

 実際利き比べると、ホーロー製の方がやわらかく甘味の残る焼酎が出来るような気がします。なんとかあの味に近い蒸留が出来るようになればいいなと思いますが一朝一夕には行かないようです。その辺りの苦労が、チラッと見えたように思えた今回の訪問でした。


 帰りのことを考えて、わずか一時間ちょっとの滞在で、15時30分に蔵をあとにして帰路につきました。帰りも九州道から東九州道すえよし財部インター経由で帰ったのですが、休憩を取りながら5時間かかりました。

 この日の走行距離572km 二日間の合計は1033kmです。鹿児島遠いです。

      北川工場長・大石社長 尾込社長お世話になりました。


2015年10月 焼酎蔵を巡る。 2015年10月25日(第163回)

 10月24/25日と宮崎・鹿児島の蔵を廻ってきました。今年の春にとうとう宮崎県まで高速道路が?がったので、今までよりは早く・楽になりました。と言っても30分から40分の短縮になったくらいでしょうか。

 朝9時に家を出て高速に乗り宮崎を目指しましたが、途中の佐伯ICで渋滞してるとの情報があり、仕方なく手前の津久見ICで降りて県道を走り、再度佐伯ICから高速に乗りました。(あとから判ったことですが実際はそれほど渋滞していなかったらしいです。)ここで20分ほどロスしたことになりますが、観光シーズンの土日なので、どうしようもないですね。

 佐伯ICからは順調でして、川南SAで15分ほど休憩したのちに、更に南下して清武ICで高速道路を降りて渡邊酒造場を目指します。(最寄りは田野ICですが清武で降りてもさほど変わらないので、最近は清武ICを利用します。)

 12:45に蔵に着くと渡邊社長が待っていていただきました。これから麹の種付けなどの作業があるので、そこら辺を見学して下さいというので、勝手に蔵を見て回りました。蔵の中には醪が数本仕込中で芋のいい香りがしてきます。蒸留は始まったばかりとのことでタンク一本分しか蒸留していませんでした。

 ドラム(この藏では、蒸し器兼種付け後の麹室の役目)のところに行くと、社長が弟さんとドラムの中の蒸し上がった米に「種麹(河内菌G型黒麹)」を振りかけているところでした。麹菌はカビなので簡易型の防毒マスクを付けての作業です。外はそれほどでもないのですが、さすがにドラムの中には蒸し米が入っているので暑そうで汗だらけになっての作業です。

 黒麹の種付けということは、すでに白麹の仕込は終了したということです。この藏では前半が白麹、後半に黒麹を仕込むようにしているからなのです。ほぼ黒麹と白麹を半々で仕込むため=半分終わったと判断出来ます。もっとも年明けて麦焼酎の仕込があるので、それは別ですが・・

 仕込蔵を見学して判ったことがありました。醪の色がタンクによって違うのです。聞けば、黄金千貫は色が濃く黄色実を帯びていますが、大地の夢は少し白く味わいの違いが醪の色にも出ているということでした。さらに最近では昔の造りに戻しているということでした。焼酎の独自の味わいを出すためには、必要以上に手を掛けず、むしろ昔からやって来たことをするやり方で焼酎に個性が出ることが判明したそうです。

 誤解の無いように申し上げますが、一例を挙げますと手を掛けないこと=手を抜くとは全く違います。醪の温度管理一つをとっても、冷水帯で管理するのではなく窓を開けたり、タンクの蓋を取ったりして管理しているので、却って手間はかかるそうです。

 ところでいろいろ話を聞いていて一番衝撃だったのが、この藏では酵母を他所の蔵のようにタンク毎に添加しないそうです。その年の最初の仕込にだけ酵母を添加して、あとは蔵付き酵母だけで発酵させるということでした。他所の蔵や税務署の鑑定官が聞いたら、ビックリしそうな話ですが本当です。蔵の近くに漬け物工場があって乳酸菌もたくさん浮遊しているようで、雑菌に対しても強いそうです。

 そんな「ビックリポン」の話を聞いて、次の蔵の松露酒造さんに行くため蔵を後にしました。
渡邊社長仕込の忙しい中、案内していただきありがとうございました。
 
 「松露酒造に行く」
 10月24日、午後一番で旭萬年の渡邊酒造場を訪問してから、午後2時頃蔵を出て串間市の松露酒造さんを目指しました。田野町より県道28号線から黒潮ロード経由で距離は約60kmほど午後3時過ぎに着きました。串間市は鹿児島県の志布志市と隣り合わせで宮崎市から南にもっとも遠い町です。

 蔵では矢野専務が待っていてくださいました。仕込中の蔵の中を一回り案内していただき蒸留したての原酒を味見させて貰いました。今年の原酒は例年に比べると甘味が少ないような気がしました。例年ですと松露さんの焼酎は甘味が強く、柔らかい味が特徴なのですが、今年はデンプン価低いそうなので甘味が少ないのかなと想像しました。(本当かどうかは不明です)

 松露さんの造りは実にオーソドックスで、特に変わった仕込をしている訳ではありませんが、基本に忠実で原料処理などに人をかけて丁寧に仕込んでいます。その事によりあの酒質が出来るんだと納得のいく造りです。8月末から仕込を始めて、12月までの4ヶ月間で1年分を仕込むことになりますが、その間造りの休みはなく、交代でお休みを取るということです。(大変なお仕事です)

 瓶詰め場のところで小さな瓶を見かけたので、何だろうと思い尋ねるとANAに納める機内サービスで使用する焼酎ということでした。特殊な瓶(100mlくらい)なので瓶詰めする機械もANAが貸してくれるそうです。空いた時間に詰めておいて出荷出来るので、蔵にとっては有り難い仕事だと言っていました。

 今回は時間がなかったので、あまりお話しも出来ませんでしたが、矢野専務親子は造り以外の時に各地の酒屋さんを廻り、うちに来ていただけるので、その時にいろいろお話しさせてもらいます。

矢野専務仕込の忙しい中、案内していただきありがとうございました。

 午後4時過ぎに蔵を出て宿泊地の鹿児島市内に向かって車を走らせました。鹿児島のホテルに着いたのは午後6時半頃でした。本日の走行距離461kmでした。


「阿部勘酒造店に行く」 2015年5月11日(第162回)

 米鶴酒造さんにお邪魔した翌日、会津若松を目指して国道121号線を南下しました。本来なら廣木酒造本店さんにお伺いしたいところですが、あいにく廣木社長がお留守と言うことなので断念して、気になってる蔵元さんを2軒廻りました。お取引がないので、この藏のことは省略します。

 二蔵お邪魔して、翌日の阿部勘酒造さんに行くために、少しでも近くにと郡山に宿を取っていました。郡山から塩竈までは150km弱なので約2時間はかかるだろうと予測して、お昼から蔵にお邪魔することにしていました。

 ホテルを9時頃出発して予定通り11時には塩竈に到着、さっそくお昼ごはんを求め塩竈の水産物仲卸市場に行ったけど、あまり美味しそうではないので、街まで引き返し松島への観光船が出ているマリンゲート塩竈内の寿司屋さんで海鮮丼を食べました。1000円と安くてしかもお鮨屋さんなので美味しかったです。

 それでも時間が余ったので、塩竈神社に参拝することにしました。阿部勘酒造店さんの真上にありながら、今まで一度も訪れたことがありませんでした。桜の季節には少し早かったのですが、いろんな種類の桜が植えられたいまして、川津桜など早咲きの花は咲いていました。さすが陸奥国一宮だけあり、由緒あり荘厳な雰囲気の神社でした。これからは行く度にお参りしようと思いました。


 前置きが長くなりましたが、お昼過ぎた頃蔵に伺うとちょうど阿部昌弘専務が事務所に戻ってきたところでした。昌弘専務と会うのは、彼がうちの店に尋ねてきて以来なので4・5年ぶりくらいでしょうか?前回蔵にお邪魔した際は、彼が出張で留守していて会うことが出来ませんでした。

 ちょっと見た感じが元高見盛、現振分親方に似ていまして、若さに似合わない落ち着いた雰囲気は、礼儀正しさに由来するのかなと思います。事務所で一時間ほどおしゃべりして蔵に案内してもらいました。


 最初に平塚杜氏がちょうど瓶詰めをされていたので、新しい瓶詰めラインを見せて貰う事にしました。火入れは熱交換器で短時間に終わらせて、それを急速に冷やすことで火入れによる酒質の低下を防ぎ、そのまま瓶詰めまで出来る物でした。今までの瓶燗火入れに比べると積算温度を低く抑えられるようになったそうです。

 仕込蔵は今年の造りはすべて終わっていて、蔵の中の片付けをしていました。蔵を平成8年に建て直しているので、建物は新しく清潔感のある作業場です。自動製麹機の「杜氏くん」は制御盤の中が一新されガラガラの状態です。(最近のコンピューターが小型・高性能になったので、大きなボックスにちょっとだけ中身がある
感じ)

 原料処理ではウッドソンの洗米機があるため、従来からある浸漬タンクが不要になり、スペースを有効に使うため今年は甑を入れ替えて、クレーンで蒸し米を出せるようにするそうです。(これで釜に入って米をすくいだす作業が無くなります)

 他には従来密閉タンクと開放タンクで仕込んでいた物を、すべて開放タンクに変更すると言うことでした。(掃除のしやすさが、仕事の軽減になる)平塚杜氏の元若いスタッフが多いのですが、現代の経営者らしくいかに作業を効率化して楽に出来ればと考えているようです。ほぼ半年に渡る酒造りを緊張感を維持しながら続けて行くにはこういう工夫は必要ですね。

 最後に分析室で今年のお酒を利かせて貰いましたが、いずれも阿部勘らしく派手さはないけど、安心して飲み続けられるお酒でした。ただ残念なことですが、純米吟醸ひよりが米不足で今年の仕込が出来なかったそうです。その代わりに面白い新製品が出る?かもです。すっかり話し込んでしまい、4時になろうかとしていたので今年大分での再会を約束して蔵を後にしました。

          阿部昌弘専務お世話になりました。


「米鶴酒造に行く」 2015年4月25日(第161回)

 約一月ぶりの出張となった4月は、東北への旅になりました。東北へは行く処にもよりますが、仙台の場合、羽田まで飛行機で東京駅経由で新幹線で仙台まで、または、飛行機で大阪経由・仙台空港まで、そして一旦福岡に出て仙台空港まで直行などが考えられます。今回は時間と経費の関係で、福岡空港発を選択しました。

 宇佐駅を7:17の電車で博多まで、福岡空港から10:05の飛行機でお昼頃に着く予定でしたが、福岡空港混雑のため30分ほど遅れて到着しました。仙台はあいにくの雨で、気温は9度と九州では真冬並の寒さ。そのままレンタカーで山形は高畠町の米鶴酒造さんへ向かいました。

 遠回りになりますが、仙台東部道路を一旦北上して仙台南部道路・東北自動車道経由で白石市まで、そこから国道113号線で蔵を目指します。途中七ヶ宿町あたりではまだまだ残雪がたくさんあります。蔵は宮城と山形の県境近くにありますので1時間半ほどで着きました。

 この日はちょうど米鶴さんの蔵開きの日で、たくさんのお客様がお見えになっていました。蔵の中を一回りして、きき酒会場にいる須貝杜氏と今年のお酒の傾向や今後の展開、日本酒の市場についてなど話をさせていただきました。

 時間も午後3時になり蔵開きも終了となりましたので、梅津社長に挨拶して蔵を後にしました。ホテルに行くにはちょっと早過ぎるので高畠ワイナリーでも行こうかと思いましたが、車なので試飲も出来ないし諦めて温泉に行くことにしました。

 ホテルが米沢市内なので、市の近郊に小野川温泉というのがあると判りましたので、車を走らせること30分ほどで到着しました。「滝の湯」「尼湯」という二つの共同浴場があり、それぞれ250円と200円で入浴出来ます。いずれも源泉掛け流しで硫黄の香りがほのかに漂い、とっても良い温泉でした。「尼湯」は45度とかなり熱く、長い時間浸かるのは無理でした。体中温まって気持ちよくホテルに向かいましたとさ。

         梅津社長・須貝杜氏お世話になりました。


「油長酒造に行く」 2015年4月10日(第160回)

 3月3日、まだまだ寒い奈良県の油長酒造さんにお邪魔しました。前日のうちに三重県四日市から近鉄で大和八木まで行き、そこで宿泊しました。余談ですが奈良県の宿泊代金が高いのには閉口しました。今度からは大阪に泊まり、そこから行くことにします。

 11時にアポイントを取っていましたので、それまでに早起きして近くの国宝「長谷寺」に参拝してきました。ちょうど谷底に国道が通っているような感じで駅から長谷寺が同じくらいの高さにあり100mくらい下って、そこからまた登るような形です。お寺は趣があり、さすが国宝と言えるような堂々とした建物が複数ありました。


 とんぼ返りして、蔵のある御所市に向かいました。近鉄の駅から歩いて5分ほどで着きます。昔ながらの由緒ある家が多い町並みに蔵と事務所はあります。この辺りは大和朝廷以前よりの悠久の歴史を誇るそうで、古い町並みが残る静かな町です。

 11時に到着するとご子息の山本嘉彦さんが、すぐに応対してくれました。今年の造りの事を伺うと、出荷量が増えて、その対応のためタンクを入れ替えたりしてので、ほぼ予定通りに酒造りが出来ているということでした。

 ひとしきり話し終わってから蔵を案内して貰いましたが、話の通り仕込蔵のタンクが新しいものに変わり、それに伴って床もキレイに塗られていました。この藏では、なるべく人の手を入れずに酒を造るようにしていますので、他の蔵のように手をかけることをすべて良しとはしていません。むしろ人の手に触れず、酒を造っているようにも見えます。


 彼と話をしていると本当に頭が良いと感じます。理路整然と説明してくれますしまたデータを重視して、誰かが突然不在になった時でも、困らないように従業員に対する酒造りの指導をしています。だから若い従業員(1名のみ50代)だけでもこれほど素晴らしいお酒が出来ているのだと実感しました。そして人の手を触れずに済む所は徹底して機械化しています。無濾過・生原酒のお酒を年中出荷する為にどれほど考えているのかと感心しました。

 途中、お昼をご馳走になった時に聞いた話で、どこの蔵元さんと仲が良いのかと尋ねると「あまり親しい蔵元はいない」ということでした。へぇ〜、そうなんだと思いましたが、出歩くことよりも蔵にいて来期の造りのための構想を練るのが好きという言葉で納得がいきました。その為に非常に残念ですが、酒販店主催のお酒の会は遠慮してるそうです。


 とにかくお酒の事を熱く語る彼の姿に、これからの日本酒業界を牽引して行くであろう未来が見えたような気がしました。

   山本専務、お忙しい中お付き合いいただきありがとうございました。


玉泉堂酒造に行く」 2015年3月25日(第159回)

 3月1日の義侠さんの試飲会にお邪魔した時、毎年参加される玉泉堂の山田社長と一緒になりました。今回瀧自慢酒造さんに行くつもりが、ご不幸があったのでと行けなくなったと話すと「うちにおいで」と言うことになり、急遽お伺いすることになりました。

 醴泉のお酒の会は毎年5月と決まっているので、その時にお伺いするつもりでしたが、少し早い訪問となります。翌3月2日、わざわざホテルまで迎えに来ていただき蔵に向かいました。名古屋からですと下道で1時間半ほどかかります。北西に向かって車を走らせると養老山地が迫ってきますが、その麓に蔵はあります。

 山田社長が朝ご飯食べてないのでと言うのですが、私は朝食をとったので、そんなにお腹がすいていないので、こちらの都合で申し訳なかったのですが、先に蔵見学をさせていただき、試飲もさせて貰いました。

 蔵では麹室を改修中でして、乾燥した空気を送り込む大がかりな機械を設置していました。ここ玉泉堂さんの良い所は積極的に機械化して、その余った労力を他に使って効率を上げている所です。何となく開運の土井酒造場さんに似ています。

 毎年いろいろな所にお金をかけて改良を続けています。それもこれも酒質向上という大きな目標があってこそだと思いますが、赤字経営だった先代の苦しい時代を乗り越え、大きく飛躍しつつある玉泉堂酒造さんには頭が下がります。


 ところで今年のお酒ですが申し分ありません。当然新酒で火入れしていますので、渋さや堅さはありますが、出来映えは素晴らしかったです。上品で綺麗で透明感もあって、こういうお酒は居酒屋さんなどではなく、ちゃんとした料亭などで扱って欲しいお酒です。またそういう所が扱うべき日本酒だと思いました。今どきのお酒と違い香りもおとなしく、味もガツンと来るタイプではありませんが、これからの日本酒業界を担っていくお酒だと確信しました。

 試飲後、近くの定食屋&寿司屋&洋食屋さんでお昼をご馳走になり、四日市まで送っていただきました。山田社長から夕食も誘われましたが、夕方までには奈良に行きたかったので、ラモネのバタール・モンラッシェと神戸牛を諦めて電車に乗りましたが、今考えたらもったいないことをしたと悔やんでいます。

   山田社長、本当にお世話になりました。そしてごちそうさまでした。


「山忠本家酒造に行く」 2015年3月10日(第158回)

 毎年3月の第1日曜日は義侠「山忠本家酒造」さんの新酒試飲会です。なので今年も大分空港から中部国際空港にひとっ飛びして行って来ました。

 前日から九州は雨、低気圧が本州へと移動し名古屋もかなり荒れた天気でした。小さな飛行機で揺られること1時間、10分遅れで到着です。名鉄に乗り換え名古屋まで行き、ホテルに荷物を預けて身軽になって愛西市へと向かいます。いつもなら日比野で降りて徒歩で行くのですが、あいにくの雨模様ではそれも辛く、津島で降りてタクシーで蔵に向かいました。

 午後1時前到着で昼からの試飲では一番乗りでした。お茶をいただきすぐに寒い試飲会場へ「お願いだから暖かい所で試飲させてよ」と心の中で叫びながら、お酒をききます。う〜ん、正直冷たすぎてよくわからない。

 「部屋の温度もだけど、品温もあげて欲しいな」とまたまた独り言。一通り新酒をきいたあとで、古酒をききます。

 お〜!!さすがに特別栽培米は5年ほど経過すると良くなるな。新酒の時はきつく感じるんだけど、年数とともにきれいなお酒になって来る。だいたい5年が目安となりそうだ。うちの冷蔵庫にある特別栽培米の吟醸酒も良くなっているだろうなと、思いを馳せつつ試飲終了しました。

 50%の純米吟醸を2本のタンクから選び、40%の純米吟醸も2本のタンクからどちらかを選びます。タンク違いの同じスペックのお酒を選ぶのは難しいです。

 30%の純米吟醸は前日に上槽したばかりで、味なんか分からない状況で注文するのは、まるでバクチです。ともあれ新酒だけは何とか決めて発注しました。

 夜は全国の特約店が集合して名古屋駅近くで懇親会です。そこを早めに切り上げて、友人数人と自然派のイタリアワインを置いているお店で2次会。とっても濃い話が出来て良かったです。名古屋の夜は寒かったです。 


「県内の蔵を廻っています」 2015年1月10日(第157回)

 年明け早々に県内の蔵元さんにご挨拶に伺いました。まずは1月8日に千歳町の藤居醸造さん、そして午後から県内最南端、佐伯市直川のぶんご銘醸さん。その日は一旦帰宅して、9日に宇佐市の小松酒造場さんと三和酒類さん、午後から緒方町の浜嶋酒造さん、そして10日に杵築市の中野酒造さんと廻りました。

 それぞれ杜氏さんや経営者さんのご意見を聞き大変楽しく勉強になる訪問でした。まだ県内も廻りきれない蔵元さんがありますので、今月中には時間を作ってお邪魔したいと思います。

 今年も積極的に現場を廻って、良いお酒を提供していただくよう努力します。


「櫻井酒造に行く」 2014年12月15日(第156回)

 10月23日午前中大和桜酒造さんにお邪魔して、そこから櫻井酒造さんに向かう途中おいしい定食屋さんがあるというので、そこに立ち寄りました。

 噂通り、回りは民家も何もない、田んぼや畑ばかりの場所ですが、そこだけ車が集中しています。そのお店は「正ちゃん」。キャッチフレーズは「お総菜バー付き定食」、つまり定食を注文するとテーブルに置かれたお総菜は何でも食べ放題となるシステムのようです。

 その代わりちょっと定食は高めの価格設定ですが、たくさん食べたい人や女性客には大変人気があるようで、お客の半数はどこからか食べに来た感じの女性が多かったです。その食べ放題には、カレーなどの総菜が数十種類、またデザート数種類もあるので人気なのでしょうね。

 お腹いっぱいになったので、一路櫻井酒造さんを目指して車を走らせます。まっすぐ行けば30km弱なので40分ほどで着く距離です。海沿いの国道270号線を走らせ、ちょっと内陸に入ると、まもなく道の駅「きんぽう木花館」が見えてきます。そこを右折して1kmほど行った右側の集落の中に櫻井酒造さんはあります。


 1時過ぎに蔵に着くと、原料芋の処理の最中でした。大和桜酒造さんでは比較的粒の揃った芋を丁寧に丁寧に洗っていましたが、ここでは大きさは揃っていませんが、比較的大きな芋を遠慮なく削っていました。櫻井社長曰く「仕入れた芋の2割は削って捨てている」そうで、ホントにココまで取ってしまうの?という感じでした。

 私はそこに櫻井さんの焼酎が旨い秘訣があると思いました。確かに他の蔵でもヘタや悪い部分は削っていますが、櫻井さんの所ほど削るのは見たことがありません。毎日の仕込で必要な芋の寮は2トンですが、櫻井さんは2割増しの2,5トン仕入れるそうです。なので思い切って悪い部分を捨てられるのですね。

 一回り見学した後で、金峰櫻井(白麹)を蒸留していましたので試飲させて貰いましたが、すっごく柔らかな酒質で、このまますぐ製品にしても飲めそうなくらい美味しかったです。ですので是非製品として出荷してもらいたいとお願いしました。

 造りの最盛期でお忙しそうでしたので、早々に引き上げ蔵を後にしました。

         櫻井社長お忙しい中、お世話になりました。


「大和桜酒造に行く」 2014年11月25日(第155回)

 10月22日鹿児島市内に宿泊し、夜は友人と楽しく呑んで目覚めもスッキリ、最初の訪問先である大和桜酒造に向かいました。午前8時過ぎさすがに鹿児島市内は通勤ラッシュで混んでいましたし、ナビもウソばかり教えるので市内を脱出するのにかなり手間取りました。オマケに南九州道の串木野で降りなければならないのに、間違って薩摩川内まで行って引き返す羽目に・・・10時にお伺いする予定が10時10分頃到着と遅れてしまいました。

 でも遅れて良いこともあります。蔵に着くと若松徹幹さん(蔵元杜氏)は、まだ麹室の中で麹の種付けをしている最中でしたので、外から見学させて貰いました。

 事前に調べていませんでしたが、この藏、麹は手造りで一次二次ともに甕仕込という古典的な造りでした。小売価格だけで高いと判断していましたが、とんでもない事でした。この造りなら、この価格は安すぎますね。う〜ん、超有名銘柄以外でこんな造りをしている蔵があるとは・・勉強不足を痛感しています。

 しばらくして麹室から出て来た彼が、早速蔵の中を案内してくれました。ホントに小さな蔵で甕が床にならんでいるだけというシンプルそのものでした。機械と言えば米を蒸す甑と芋を蒸す蒸し器、それと蒸留機ぐらいです。


 一通り案内して貰っている途中で、ちょうど原料芋の処理をしているところだったので眺めていると、芋がキレイなのに驚きました。他の蔵では芋の表面にある皺の中はそれほどキレイでないのですが、ここの芋は真っ白と言っても良いくらいにキレイに洗っていました。他所に比べるととっても小さな洗浄機で少しずつ丁寧に作業していることが見て取れました。

 蒸留機は常圧の手造りらしき物で塔(立ち上がり)が細く低いのが特徴でしょうか、それにあわせて渡(わたり)も細いです。こんな蒸留機は初めて見ましたが、正直良いのか悪いのか判りません。彼も他所の蒸留機に比べると、かなり気になるようでしたが、蒸留機を替えると味も変わるので、それが心配だそうです。

 それはそうですね。今まで造ってきた味わいがいきなり変わるのでは、本人のみならずお客さんも戸惑うことでしょう。


 その後別棟にある貯蔵庫兼瓶詰め場を見学させて貰いました。何故か規模の割に貯蔵タンクが多いと思ったら、それもそのはずこの藏ではレギュラーの大和桜でも1〜2年の貯蔵酒を出荷しているそうです。そこで2年物の原酒を試飲させて貰いましたが、酒質がやわらかく度数を感じさせない飲み心地は特筆ものです。

 事務所に移動していろいろ話を伺うと彼が蔵を継ぐ前に何をしていたか話の端々で見えてきました。パッケージや販促方法などにそれが現れてセンスの良さを感じました。

 とりあえず、新規お取引(実は15年以上前に取引したことがあったのですが)のお話しをさせていただき、了解を貰いました。午後からは櫻井さんに行くので早々に蔵をあとにしました。

 若松徹幹さん、仕込でお忙しい中、いろいろお話しを聞かせて貰いありがとうございました。


「渡邊酒造場、国分酒造協業組合に行く」 2014年11月10日(第154回)

 渡邊酒造場へ

 10月22日朝7時宮崎に向かって出発しました。今回の旅は県内の知り合いの酒屋さんとの同行の旅です。東九州道で大分の終点である佐伯ICまで行き、そこから下道で蒲江に向かいます。蒲江で同行者を拾い、再び蒲江ICから東九州道に乗り、宮崎の田野町まで行きますが、蒲江以南宮崎県側はすでに全線開通しているので、あっという間(2時間くらい)に目的である渡邊酒造場さんに到着です。

 アポは取らずの突撃訪問でしたが、造りに入っているのは知っていましたので、留守してることはないだろうと思い行くことにしました。いきなり蔵の中に行くのは流石に失礼だろうと事務所の方に向かうと、案の定渡邊社長は仕込の最中で、驚いて出て来ました。事情を説明して時間もないので、さっそく蔵の中を見せて貰いました。


 すでに数本のタンクにはもろみが入っており、あと二日ほどで蒸留も始まるそうです。蒸留したてが飲みたかったのですが、それはかなわずでした。今は前半の白麹の仕込で、後半には黒麹の仕込が始まります。全部で20本ちょっとの仕込ですので、造りの期間は2ヶ月もありません。実際には麦の仕込を年明けからしますがそれは別です。

 ただ芋を掘ってのからの仕込作業なので、けっこう大変な様子です。実は、芋もたくさん作っていまして、原料の半分ほどは自社畑からの調達になるのです。もちろん不足分は他所から購入することになるのですが、「大地の夢」「黄金千貫」を生産する蔵元農家でもあります。

 今回畑まで行くことは出来ませんでしたが、いろんな仕込の話が聞けて良かったです。短い時間ではありましたが、今年の芋の状況など伺うことが出来ました。

            渡邊社長お世話になりました。


 国分酒造協業組合へ

 その後、宮崎自動車道田野ICから都城ICへ行き、国道10号線で都城の霧島酒造の大工場を横目で見ながら、途中で昼食を取り、そのまま10号線を南下して末吉財部ICから、再び東九州道に乗り、国分ICで降りて次の目的地である霧島市の国分酒造協業組合を目指しました。

 うちと取引がある蔵ではないのですが、同行者の取引の関係でお邪魔することにしました。霧島市の山あいにある蔵は、私が見た中では中規模程度の蔵で、従業員さんもかなりいらっしゃいました。待合室に通されて、しばらく待っていると代表の笹山さんが帰ってきましたので、挨拶もそこそこに蔵を案内していただきました。

 午後2時過ぎに伺ったので当日の仕込は終了していまして掃除や蒸留・濾過などの作業をされていました。すでに翌日の芋も到着していまして、最初の行程から、全部見学させて貰いましたが、工場は清潔でとても好感が持てる蔵元さんでした。

 蔵の周りにある棚田では、「夢十色」なる麹米に使用する長粒米も栽培していました。

    笹山代表お忙しいところ、ご案内いただきありがとうございました。



「醴泉酒の会に行く」 2014年6月25日(第153回)

 5月22日、岐阜県大垣市で開催された「醴泉酒の会」に参加してきました。全国から取扱店や蔵元さんが集まリ、勉強会と懇親会があります。勉強会では今年の造りの総括と改善点などが報告されます。毎年開催されるのですが、年々参加者が増えて今年は百名に迫る勢いでした。確かに取扱店は少しずつですが、増えているのでしょう。それよりも山田社長の人徳か、多くの蔵元さんも集まります。

 今回のテーマは製品の個体差をなくすということで、昨年に続き火入れや瓶詰めの工程を再検証し、問題点を洗い出し改善策を取ったそうです。そして原料の問題これは山田錦が全国的に不足しているのこと、その原因と対策ですが、今年まではどうにもならないようですが、あと1年?2年も経てば余剰に変わるだろうということでした。どの蔵元さんも供給をカットされることを見越して、多めに発注しているようです。実際山田錦が入ってこず、生産計画を見直す蔵も出ているようです。


 その後は別室で今年のお酒の試飲ですが、例年ですと前期の造りのお酒も出されるのが、昨年のお酒が無くなったので今年の新酒のみでの試飲となりました。いつも社長が口にする「品格のあるお酒」を目指して、素晴らしいお酒が出来ていまし
た。普段9号酵母しか使いませんので、あまり香りが立ったりせず、大人しい印象のお酒ですが、よくよく利いてみると奥底に潜む味わいは山田錦ならではの味の広がりや奥ゆかしい香りもあり、玄人好みの味わいとなっています。

 醴泉のお酒は派手さがない分、食中のお酒としてはこれほど質の高いものは珍しいと思います。そこが弱点といえば弱点かもしれませんが、日本人なら最後は選んで欲しいお酒でもあります。


 懇親会は会場を変え、バスで30分ほど移動した郊外の料亭ではじまりました。今日試飲したお酒がすべて並べられ、実際どの食べ物との相性がいいか、など検証出来ます。結果会わない食材はありません。むしろ刺身などの美味しさを引き出してくれますので、質の高い日本料理のお店などで使っていただきたいお酒ですね。

 たくさんの酒販店・蔵元さんと交流出来た有意義な一日でした。また、いろいろ刺激を貰い、田舎でノホホンとしている自分にとっては、精神を突き動かされた日でもありました。来年も是非参加したいと思います。


           山田社長お世話になりました。


「三宅彦右衛門酒造に行く」 2014年5月25日(第152回)

 つい先日、5月21日に福井の三宅彦右衛門酒造さんにお邪魔しましました。
翌22日に醴泉酒の会が開催されますので、それに併せて寄り道する形でお伺いしました。一週間以上前に問い合わせたところ「まだ醪があるので是非来て下さい」ということでしたので良いタイミングでした。

 8時47分の宇佐駅発の特急に乗り、小倉で新幹線に乗り換えて、更に新大阪でのぞみからひかりに、米原には12時52分到着です。家を出てから4時間半ほどです。米原からはレンタカーを借りて1時間ちょっとで蔵に到着です。米原からは73kmの道程で、途中昼食を取りましたので14時30分の到着でした。


 蔵ではまだ醪が残っていることもあり、社長をはじめ藏人さんも忙しく働いていました。専務の範彦さんと今期の酒造りの内容をいろいろ聞かせて貰いましたが、昨年9月から仕込に入って、ここまで酒造りが長くなった理由は、まず仕込が3本増えたこと、社員が地元雇用なので正月のあいだ醪を無くしたこと、さらに大吟醸の仕込の期間中二週間ほど他の醪を切らしたことなどが、主な要因だそうです。

 約9ヶ月の間、蔵に籠もって仕込を続けるのは並大抵ではないですね。また3ヶ月もしたら仕込が始まる訳ですので、私にはとても出来そうにありません。


 古い蔵では冷房設備がないので寒い時期しか仕込が出来ません。それでも960kgの単位で仕込めるので、この藏では大きな仕込になりますが、普通の蔵では1トン半から3トンの仕込ですので、ここがいかに小さな仕込みか判ります。

 さらに冷房蔵ではもっと小さな640kgの仕込になるので、すべてが大吟醸を仕込むのと同じくらいの大きさなのです。ですから仕込本数の割りに、出来るお酒が少ないのも当然です。

 その冷房蔵には、まだ5本の醪が入ったタンクがありました。甑倒しは終わったそうなので、あとは上槽を待つばかりなのですが、長期醪ということもあり、まだ一月ほどかかるそうです。何とか酒造年度(毎年7月から6月)内に終わりそうなので一安心ですね。

 昨年新設した建物では、瓶燗火入れの設備を移動していました。以前はもと場と甑の間の狭いところで作業していましたが、今度は広くなって作業効率も上がりそうです。将来的には瓶詰め設備を現在の門の向かい側に建物を建てて、そちらに移動したいということでした。小さな蔵ながら毎年設備を更新して酒質の向上に努める姿勢には感激します。


 夕食を一緒にというので、先に蔵をお暇しホテルにチェックインして、気比神社そばにある「やまもと」で食事をご馳走になりました。何と酒造りの期間中で初めての外飲みだということでした。食事も早瀬浦も大変美味しかったのは言うまでもありません。

          三宅専務、大変お世話になりました。


「下村酒造店に行く」 2014年5月10日(第151回)

 3月3日松瀬酒造にお邪魔したその足で、JRで姫路まで移動して宿泊しました。お得意先のお店があるので、夜はそちらでご馳走になりましたが、大将が一人では寂しかろうと、一度お会いしたことのある常連さんを呼んでくださり、楽しい酒宴となりました。

 さすがに翌日はレンタカーで移動するので、深酒は止めて12時前にはホテルに戻り、朝風呂に入浴してサッパリしてホテルを出ました。レンタカーはホテル近くの駅前にあります。9時に予約して、10時頃下村酒造店にお邪魔する予定です。

 久しぶりのお街での運転にびびりまくりながら、安富町を目指します。一時間ほどで到着するだろうと予想していましたが、予定より少し早く着いたので、近くのコンビニで朝食がてら時間をつぶして、10時ちょうどに蔵にお伺いしました。


 最近は九州で新酒の会をすることがほとんどですので、蔵にお邪魔するのは相当久しぶりです。以前伺ったのは、いつのことだろう?と思い出せないほどです。

 蔵では、まだ仕込の真っ最中で下村社長は無精髭を伸ばしたまま、しかも仕事着ですので、最初は誰かわかりませんでした。もっとも蔵の仕事は時間に追われて、身なりなどかまう暇もないということは重々承知していますし、本当に大変な仕事であることはわかっています。

 そんな忙しい中、蔵の中を案内していただき、醪を見て、お酒を利かせて貰いました。蔵の中は昔とほとんど変わらず、古いながらも清潔に保たれた蔵内で仕込が続いていました。

 お酒は今年も奥播磨らしい味わいが表現されていて、安定感のある品質に仕上がっていました。なかでも「純米」と「山廃純米」の袋吊りしたものと、普通の槽で搾ったお酒の味わいが大変違うことにあらためて驚かされました。当たり前のことですが、袋吊りしたお酒はストレスがかかっていないのが、すぐわかる素直で綺麗な味でした。価格差はあるものの袋しぼりを飲むと、みんなそちらを選ぶだろうと予測出来る味でした。(当店ではちょっと売る自信がないので普通のにしました)

 飲み比べれば違いがわかることで、純米も山廃純米もそれはそれで充分に素晴らしい味わいです。お金を払う立場から言えば、こちらで満足出来る味です。なので私は敢えて袋しぼりを買いませんでした。


 短い時間でしたが、久しぶりの奥播磨の蔵は何もかもが新鮮に感じることが出来ました。やはり蔵に行く重要性を再認識いたしました。下村社長も仕事が忙しそうでしたので、早々にお暇することにしました。


 予定より早く見学が終わったので、一乗寺の三重塔や鶴林寺の太子堂などを見学してレンタカーを返却して、姫路駅から初「さくら」で帰郷しました。さくらは、JR九州の新幹線なので、普通席でも四列シートなので広いし、内装もオシャレで快適でした。

          下村社長大変お世話になりました。


「松瀬酒造に行く」 2014年4月25日(第150回)

 前回の切符の続きを説明します。宇佐駅で名古屋までの往復切符を買った・・つもりでしたが、実際手渡されたのは「名古屋新幹線往復切符」だったのです。

 どう違うかと言いますと、私が手にした切符は名古屋まで新幹線で往復するだけの切符で途中下車が出来なかったのです。


 朝9時07分名古屋駅発の特別快速に乗って大垣駅まで、大垣駅から米原行きに乗り換えて、さらに米原駅で姫路行き新快速に乗って10時25分に彦根駅に着きました。で、切符を自動改札機に入れてでようとしたら出てくるはずの切符が出て来ません。駅員の女性にその旨伝えると、その途中下車出来ない切符であることが判明しました。

 私は宇佐駅で「名古屋までの往復切符を」と言って買ったので、そんなはずはないと思い込んでいましたが・・・彦根駅から宇佐駅に連絡して貰うと、宇佐駅の駅員さんの勘違いで、新幹線往復切符を渡してしまったということが判りました。

 この切符は持ち帰って宇佐駅でしか処理出来ないと言われ、仕方なく名古屋から宇佐駅までの乗車券を買う羽目になりました。そんなこんなで30分ほどかかってしまい駅前のトヨタレンタカーには11時過ぎに辿り着きました。


 今回の旅の目的は「松瀬酒造」に行くことはもちろんですが、もう一つの楽しみがあったのです。それは「国宝を巡る旅」せっかく全国各地の蔵元さんを廻るのだから、近くにある歴史的建造物も見たいというのが事の発端でした。

 それで今回湖東三山のうちの「西明寺」と「金剛輪寺」に行ってみることにしたのです。このお寺いずれも国宝に指定されていまして、鎌倉・室町時代に建てられたものですが、さすがに風格のある素晴らしいお寺でした。ついでと言っては申し訳ないのですが、松瀬酒造さんの近くにある竜王町の苗村(なむら)神社も西本殿が国宝に指定されていましたので、見学してきました。


 と、ここまでは松の司とは関係ない話になってしまいましたが・・本題へと


 寄り道が多かったので、辿り着いたのが14時頃になってしまいました。今年の造りも甑倒しまであと数日という処でした。醪は数本あり、本醸造になるタンクでした。それと公開出来ないおもしろい仕込も・・・これは発売されてからのお楽しみです。

 石田杜氏に伺ったところ、今年のお酒はあまり辛口には持って行かず、ちょっと甘さを感じさせるように仕込んだということです。昨今の流れに乗らないまでも、あまり辛口に突出することがないように気をつけて仕込んだそうです。

 先日も京都での試飲会に参加して市販酒をすべて利かせて貰いましたが、杜氏の言うように少しだけ香りを出して口当たりの良いお酒に仕上がっていました。

 特に蔵の柱になっている「楽 純米吟醸」「純米吟醸 ブルー」「AZOLLA純米吟醸」に関しては、いずれも素晴らしい出来映えで米の良さが、そのままお酒の味に表現されていました。

 蔵の中では大きな変更点はありませんでしたが、ウッドソンの洗米機が導入されていました。以前はステンレスのざるで10kg単位で手洗いしていましたがこれに変えたことによって格段に糠切れが良く、洗米が楽になったそうです。


 その後、蔵の裏手にある「ふゆみず田んぼ」を見学させて貰いました。畦には、つくしがたくさん出ていて、冬の間も水を張ったままにすることで、田んぼの土が軟らかく水中にはいろんな生物が動いていました。無農薬で田んぼを作ると、生き物が増えるとは聞いていましたが、実際あれだけの生物がいると、こういう環境で米が育っていくことを想うと、なんか嬉しくなりますね。

 今回は車でお邪魔したので試飲は、ほとんど出来ませんでした。(それもあって京都の試飲会に出かけた訳ですが。)石田杜氏とお話しをさせていただいた後に、松瀬社長と日本酒の現状など、しばらくお話しをして蔵をあとにしました。


        松瀬社長・石田杜氏大変お世話になりました。



「山忠本家酒造に行く」 2014年4月10日(第149回)

 宇佐駅で名古屋までの往復切符を買います。帰りは松の司・奥播磨に寄って帰るつもりなので、この切符の買い方でないとかえって高くつきます。・・・と思って買ったつもりでしたが。この話はまたの機会にしましょう。


 朝8時47分宇佐駅発のソニックに乗って小倉駅まで、小倉駅から新幹線に乗り換えて約3時間、12時52分には名古屋駅に着きます。こんなに近いのかという感じがします。飛行機だと安いのですが、時間的な制約が大きいのとセントレアから、山忠本家酒造さんまでがとても遠くて時間がかかります。それとやはり他の蔵元さんにも寄りたいのでJRに決めました。

 14時前に最寄り駅の日比野まで行くと、知り合いの酒屋さんが迎えに来てくれました。(Mさんいつもありがとう)山忠本家酒造さんの会議室に着くと、午後からの方が数名いらっしゃいました。山田社長に挨拶を済ませ、早速今年のお酒をきかせて貰います。ところがいつもいるはずの杉村杜氏がいません。おかしいなと思いつつ一通り試飲して会議室に戻ると、杉村さんは昨年辞めたと言うことです。

 では今年のお酒は誰が造ったのか?何と専務ともう10年以上この藏に勤務している阪野さんでした。それでいつもと違ったニュアンスなんだと納得したのでした。


 専務にどういう酒が造りたかったの?と聞いてみると、主張のある酒という返事が返ってきましたが、「むしろ例年より早飲み出来るお酒に仕上がってますね」というと、そこが出来てみないと判らない日本酒造りの面白さだと言ってました。

 確かにこういうお酒を造ろうと思って設計図を描くのでしょうが、設計図通りに造るのは容易なことではないと思います。ただ今年のお酒を利いた時にとても丁寧に造っているのは感じ取れました。義侠らしさが薄らいだと言われれば、それまでですが、酒屋にとって見れば早飲み出来るお酒は売る時に困らないので助かります。

 その代わりと言ってはなんですが、熟成の楽しみは少なくなったような気がします。しかし昨今のブルゴーニュワインのように早飲み出来るのに熟成も可能というワインがたくさんありますから、そういう意味では熟成させる価値は多いにあると思います。なにより兵庫県の特A地区の特上米を使っているのですから、最近流行の日本酒のように、熟成に向かないということは間違っても無いと思います。


 その夜は毎年の事ながら、参加した酒屋さんや一部飲食店さんや蔵元さんを交えた宴会です。この時は今日試飲ででたお酒がすべて飲めますので、料理と合わせて飲み比べたり出来ますので、実際販売する時の大きな参考になります。


         山田社長・専務大変お世話になりました。


「井上合名(三井の寿)へ行く」 2014/2/13(第148回)

 2月2日(日)ちょっと時間が出来たので、県外で一番近い蔵元である、井上合名さんまで足を伸ばしてきました。一番近いと言っても福岡県ですので、それなりに時間はかかります。うちから最寄りの速見インターまで25分、そこから甘木インターまでが、ちょうど100kmで1時間、インターを降りて約10分、とこんな感じですが、当日は濃霧の影響で2時間くらいかかってしまいました。

 それでも2時間で行けるのですから、近くなったものです。昔は、高速が全線つながっていなかったので、3時間以上かかった記憶があります。


 10時に蔵に着くと、藏人たちが仕込の最中でバタバタしていましたが、この日は蒸し米が無いということで、比較的ゆっくりした様子でした。時期的には新酒もどんどん出来上がってきて、出来たお酒の処理と仕込が輻湊する忙しい時です。さらに新酒の出荷も重なり、目が回るような忙しさです。

 蔵の中では仕込タンクに、すべてもろみが入っている状態で静かに醗酵を続けています。もろみの香りが立ちこめ、それはそれはいい香りがします。その中でも、上槽間近の数本のもろみをきき酒させて貰いましたが、どれも良い出来でした。

 小仕込み、手造りに徹して福岡県の酒蔵をリードしてきましたが、近年他県のお酒に押され気味ですが、サンデー毎日に連載中の「のぞみ」効果もあり、お酒が足らない状況が続いているとのこと・・・実際新酒の案内が届いても、翌日には完売の連絡が来ます。(頼み損ねたお酒もありました)


 いま三井の寿は、従来のクラシカルな路線のお酒とイタリアンラベルを持つトレンディーなお酒が混在して蔵の商品ラインナップを形成しています。これをバランス良く造り続けることが、また一段と飛躍する原動力になるような気がします。

      今後の三井の寿に注目ですね。井上専務期待しています。


 その後、事務所でいろいろお話しさせていただき、お昼頃に蔵を出て帰路につきました。帰りは霧も晴れて、快適なドライブ日和でした。

            井上専務、お世話になりました。



「黒木本店へ行く」 2013/10/25(第147回)

 9月18日渡邊酒造場さんにお邪魔して、夜は紹介していただいた超有名焼肉店「みょうが屋」さんで肉三昧を堪能した翌日、黒木本店さんを訪問しました。

 10時にお伺いすると、角上工場長が待っていてくださいました。事務所2階にある会議室でしばらく雑談をして、その後本店工場内を見学しました。良く考えたら、この季節にお伺いすることが最近なかったので「きろく」の仕込を見るのは久しぶりでした。

 黒麹でクエン酸が程良く効いた一次もろみをすくって飲ませてもらったり、麹室で米麹を食べさせてもらったり、蒸留中のアルコール度数の高いハナタレを試飲したりと、芋の仕込でしか体験出来ないことがあるので、確認出来ただけでも楽しかったです。

 事務所裏手の瓶詰め場では、瓶詰めはオートメーションですが、百年の孤独などの仕上げ包装は手作業ですので、女性スタッフが慣れた手つきで包んでいましたが相当なスピードです。男性従業員ではこなせない仕事ですね。


 その後、飼料工場と圃場を見学して農業生産法人「甦る大地の会」では黄金千貫・玉茜・ジョイホワイトの違いを見せてもらいました。芋の収穫で忙しいのか一人しかいらっしゃいませんでした。

 お昼は美味しい田舎蕎麦をご馳走になり、おまけに手土産で竹の皮に包んだ山菜おこわまでいただきました。この山菜おこわ本当に美味しいのです。


 そこから隣町の山中にある尾鈴山蒸留酒に向かいました。車で20分くらいかかるところで、本店からですと30分はゆうにかかると思われるような山の中です。周りに民家などは全くなく、イノシシや鹿が大手を振って出てくるようなところで私の店も負けるなという感じです。

 聞こえてくるのは鳥のさえずりと小川のせせらぎだけです。こういう恵まれた環境の中で尾鈴山蒸留酒の焼酎は醸されています。建物は製造関係が二棟有り、向かって左側が微生物の活躍する麹と酵母の世界です。右側が人間が操作する原料処理と蒸し器、蒸留機の建物になります。

 仕込の単位も本店ほど大きくないので、麹は箱で手造りされています。一次仕込は本店同様かめ仕込で、二次仕込は本店より二回りほど小さい木桶仕込です。二週間ちょっと左側の建物で過ごした醪は、右側の建物に移動して蒸留されて焼酎になります。

 製造関係の建物の後方には、一昨年新たに増設された貯蔵庫を含め7棟の貯蔵庫が並んでいます。この焼酎達が製品として世に出るのは何年後になるのか?と思うほどたくさんの貯蔵酒があります。この貯蔵という分野では尾鈴山蒸留酒にかなう焼酎蔵はないことでしょう。


 圧巻の製造設備(決して大きさではなく充実度)にあらためて感銘を受けて本店に戻ってきました。そこでふと気付いたのが、以前スーパーがあった向かいの土地に黒木さんの建物がまた作られるようになっていたことです。そこには1棟だけ、貯蔵庫を建てて、あとは公園のように整備するということです。高鍋町という小さな町ながら一等地にある土地をそのように活用する黒木さんの人間的偉大さに脱帽です。

 角上工場長、お忙しいところ長時間案内していただきまして、本当にありがとうございました。



「渡邊酒造場へ行く」 2013/9/25(第146回)

 先週18日、姫路の飲食店さんと待ち合わせて、宮崎市田野町にある渡邊酒造場に行ってきました。この飲食店さんは焼酎に特化して販売されていまして、私から見ても勉強しているなという印象を持っています。ご夫婦で毎年この時期に九州の焼酎蔵を廻られています。今回は、今年から置いていただくようになった「旭萬年」の蔵元訪問を希望され、一緒に伺うことになりました。

 朝8時過ぎに家を出て、田野に到着したのはお昼過ぎ。やはり4時間はかかります。道中途切れ途切れで高速道路はあるのですが、完全につながっていませんのでかなり時間がかかってしまいます。いつになったらこの不便が解消出来るのか。

 田野町のファミリーレストランで落ち合い食事をして、13時過ぎに蔵にお邪魔しましたら、渡邊幸一朗専務が待っていてくれました。あいにく仕込には入っていませんでしたので、仕込の様子を見ることは出来ませんでしたが、その代わりじっくりと専務と話をすることが出来ました。

 もちろん、蔵の中も一回りして仕込の工程を案内して貰いました。麹を製麹するドラムや蒸気の吹き込みを工夫した蒸留器など、小さな蔵ならではの創意工夫がいたるところに見られます。

 話の内容は、この飲食店さんの焼酎の選定から、焼酎の提供方法まで多岐にわたる内容でした。その話の中で共通して出て来た話題は、焼酎は世界に冠たる蒸留酒であるということでした。まず、日本の大きな特徴でもある「麹」を使いこなし、麹によって糖化をさせ、その後醗酵させるという世界にも類を見ない、並行複醗酵の技術は高品質で高いアルコールを生成出来ます。さらに独自の蒸留方法で短期間の熟成で飲めるようになる素晴らしさなどなど・・

 やはり焼酎は規定アルコール度数〔45度以下)を撤廃し、樽熟成による色の規制もなくすべきであるという認識で一致いたしました。一度出荷された焼酎のアルコール度数を高くすることは不可能です。それなら高い度数のまま市場に出して貰い好きな度数で割って飲むスタイルこそ、焼酎が目指すところではないでしょうか。

 この様なことが実現すれば、蒸留酒の世界でトップに立てることは間違いありません。是非こんなしょうもない規制を撤廃し、國酒である「焼酎」の存在を世界にアピールしたい物です。


    熱い熱いお話しをさせて貰い、17時過ぎにやっと蔵を出ました。

       渡邊専務、お忙しいところありがとうございました。



「山忠本家酒造の試飲、懇談会」 2013/7/10(第145回)

 3月3日、前日の静岡から移動して名古屋に入ります。山忠本家酒造の試飲は、午前10時から開催していますが、懇親会が午後5時からですので時間を持て余します。なので毎回懇親会に参加する時は、午後2時頃お伺いするようにしています。

 それで思いついたのが掛川宿泊だったので、天竜浜名湖鉄道に乗ってみる事にしました。掛川から新所原まで9:14発の宮口行きに乗り、天竜二俣乗換で新所原に12:02到着しました。これでかなり時間が潰せましたので、ここからはJR線で金山まで行って、そこから名鉄に乗り換えて蔵近くの日比野には、ちょうど午後2時頃着きました。ここから徒歩で10分ほどです。

 蔵に着くとすぐに試飲です。今年のお酒を11種類きき酒して、その後熟成酒を26本きき酒しました。全体的に早飲み出来るようになっていました。昔の義侠は生でも1年以上寝かせた方が美味しかったのですが、最近の造りはそこそこ早めに飲んでも、若い渋いが少なくなったようです。

 試飲も終わり名古屋市内の懇親会の会場に移動するのですが、車で来ている人に同乗させていただきました。その時昌弘専務と同じ車になり、今年の酒造りに関していろいろ聞く事が出来ました。

 今年の大きな変更点は、すべて総米750kg以下の仕込にしたそうです。前から最も気になっていた事なのでこの変更は大歓迎です。当然仕込蔵も吟醸蔵のみとなり温度管理など細かい事も簡単にできるようになりました。

 そうなると50%と60%のお酒で、純米と純米吟醸がそれぞれ出荷されているのでお客さんへの説明が困る事になります。以前なら750kgと1500kgの仕込という
風に明確な差があった訳ですので簡単でしたが、今後は・・・どう説明しましょうかね?結局、もろみの温度管理と日数の違いでしょうか。吟醸はより低温で醗酵させて長期もろみで経過させるという事ですね。


 夜の懇親会では昌弘専務の結婚が決まったという報告(6月29日結婚式でした)もあり、社長のバースデーも重なって、和やかに名古屋の夜は更けていきました。


 先月の結婚式にもご招待いただき、すばらしい雰囲気を味わう事が出来ました。

        山田社長、昌弘専務ありがとうございました。



「開運 土井酒造場に行く」 2013/5/10(第144回)

 3月2日に高嶋酒造さんにお邪魔したその後で、掛川市にある土井酒造場さんに伺いました。原駅から在来線で静岡まで、そこから新幹線に乗り換えて掛川までがわずか14分、合計1時間ちょっとで到着です。駅からはタクシーで15分くらいで蔵に着きます。

 2日か3日と連絡していましたが、2日の方が都合がよいということで高嶋酒造さんから直接伺うことになりました。蔵では土井社長が待っていてくださいました。


 蔵では、まだ仕込が続いていまして甑倒しが4月だそうで、皆造までは3ヶ月程あるということでした。2年ぶりの訪問でしたが、特に大きな変更はなく、精米所釜場・麹室・もと場・仕込藏・槽場そして最後に大吟醸などの仕込藏と1時間ほどかけて案内していただきました。

 毎回思うことですが、人の手でしかできないところは充分に手をかけて、機械で代用出来るところは機械でとメリハリの利いた人使いで、あの製造石数をこなしているのだと納得します。

 高品質なお酒を安定して、提供していただくのは大変だと思いますが、今後ともぜひお願いしたいと思うのは、私だけでなく、日本酒ファンなら誰でも願うことでしょう。

 
 蔵見学の後は、母屋で今年のお酒を数種類利かせていただきましたが、どのお酒も開運の味わいを存分に堪能させてもらえるものでした。開運の特徴として、酵母由来の華やかな香りと甘さを感じさせながら、スッとキレていく感じは、どのお酒も共通しています。

 なかでも私が秀逸と思うお酒は「上撰祝酒(本醸造)」です。HD1酵母と7号酵母を半々に使用して醸したお酒ですが、常温なら7号酵母が隠れた印象で、スッキリした吟醸系の本醸造という一面があり、片やお燗をすると7号酵母のおかげでしっかりした味の崩れないお酒で、冷たい温度帯から熱燗まで出来るすごいお酒です。

 こういうお酒が、定番酒(お燗酒)としておいてるお店ならきっとレベルの高い飲食店さんだと思います。安心してお酒を飲めますね。


 帰り際に土井社長・弥一専務と記念写真を撮り、奥さまに掛川の飲食店さんまで送っていただき夕食をご馳走になりました。


         土井社長、本当にありがとうございました。



「高嶋酒造」へ行く 2013/4/10(第143回)

 3月3日の義侠の会に併せて蔵元めぐりを検討しましたら、ANAで東京行きの安い切符を見つけたので(55日前までの予約)今回は東京から南下するコースを計画してみました。

 3月2日午前7時50分の飛行機で羽田に向かいました。定時の9時15分に着いたのですが、なにせ大分からの駐機場はいつも端っこ、そこから電車(京急)に乗り換えるまでがけっこう時間がかかります。

 品川に着くとこだまの発車時間まで10分ほどしかありません。有人のチケット売り場はけっこう並んでいます。このままでは間に合わないと思い、自動切符売り場に行き、駅員さんに切符の買い方を教えてもらって何とか10時03分の電車に乗り込みました。

 今回の最終目的地が京都でしたので、自動券売機では、京都までの乗車券と三島までの新幹線特急券を別々に購入しないといけないので面倒です。でも覚えてしまえばなんてことはないので、次回からは並ばなくていい自動券売機で買うことにします。


 高嶋酒造さんがある沼津市へは、新幹線の三原駅で在来線に乗り換えて向かいます。三島までは50分ほどで着くのですが、そこから乗り換えなどで30分かかり蔵のすぐ近くにある原駅に11時20分に着きました。そこから3分も歩けば蔵に到着です。

 事務所に伺い高嶋社長(30代)としばらく話をさせていただいて、昔の苦労話など聞きました。25歳で社長に就任した当時、もともと普通酒がメインで、その大部分を伊豆の方まで出かけて売っていたそうです。静岡県は県産酒の販売比率が低くて、有名な温泉地辺りでは日本酒が買い叩かれていたそうです。

 そんな普通酒に見切りをつけて高級酒(特定名称酒)路線に移行していったそうです。それが功を奏し、現在の状況に築き上げたそうです。それまでには一方ならぬ苦労もあったようですが、結果論として正解だったと思います。

 その様な想いが彼のお酒には詰まっているような気がします。最近の若い造り手さんの中でも特徴ある酒造りをしていますし、なによりお酒に芯があります。本人曰くお酒を冷たい状態で飲むのではなく、常温から上の温度帯で楽しむのが好きと言うように彼の造るお酒は、吟醸酒でも常温で楽しめるお酒がほとんどです。


 酒造りの最中にお邪魔したのですが、古い(失礼)機械を使いこなして旨い酒を造り続けるこの藏は文化財的要素のある蔵元だと思いました。というほど、この藏には見たことない10俵張りの精米器や古い槽が現役で活躍しています。

 わずか90分ほどの慌ただしい訪問となりましたが、高嶋社長のブレない信念と彼の酒造りを見せていただきこれからの日本酒業界も安泰との想いを確信しました。


       高嶋社長、お忙しい中ありがとうございました。



「宗玄酒造」へ行く 2013/1/25(第142回)

 11月26日、羽根屋にお伺いした後、焼酎の会でお知り合いになった富山のYさんと落ち合い富山市内を案内していただきました。お腹もすいたのでお昼ごはんを富山で有名な「すし玉」さんへ、寒ブリや甘エビなど美味しくいただきました。

 夜もYさん行きつけのお店で「だい」という居酒屋さんに連れて行って貰いました。なかなか平日でも予約が取れないというお店で、店主は金沢のシティーホテルの料理長を務めたお方ということでした。もちろんお料理が美味しかったのは言うまでもありません。北陸ならではのお魚を堪能しました。

 駅前に宿泊していましたので、珠洲市までは富山から4時間かかるだろうと言われていましたので、朝9時くらいにホテルを出て、能登半島の先端にある珠洲市に向かいました。ナビに従い進みましたが、どうしてこんな道を案内するのかと疑いたくなりました。途中からやっと大きな道(国道8号のバイパス)に出てスムースに行くことが出来ました。氷見市を経由して、羽咋市から有料道路に乗る予定でしたが、急遽、能登一宮「気多大社」に参拝して(なぜか、どうしても行ってみたくなった)予定していた千里浜ICの一つ先である柳田ICから能登有料道路に乗りました。

 有料道路は能登空港の手前まで通じていましたが、そこ以降は素晴らしい県道があり信号もほとんど無く、珠洲市には予定より早く着くことが出来ました。富山を出るころは曇り空でしたが、お昼が近づくころには雨が降りだして、季節風も強くなって寒くなりました。県道沿いの家々では、雪を防ぐ囲いの用意も進んでいまして、能登半島の自然の厳しさを垣間見ることが出来ました。

 珠洲市に入って、ちょうどお昼になったので、食事をするために市の中心部まで出かけましたが、ナビで探した所が、ことごとく定休日で仕方なく宗玄酒造さんの近くにある恋路海岸の食堂で食べました。

 13時にお伺いすることになっていましたので、時間通りに伺うと、直売担当の大門常務が待っていてくださいました。宗玄酒造は旧道沿いにありまして、道路のすぐ横に事務所があり、その奥に古い明和蔵がありました。奥まった古い蔵の横に新しい4階建ての平成蔵がそびえています。また事務所の向かい側には出荷の倉庫がありまして、田舎(失礼)にしては大きな会社だと思いました。

 客間のようなところに案内されて、しばらく蔵の話を聞かせていただきました。その後で古い明和蔵の方から案内していただきました。こちらは比較的大きな仕込(約3t)で普通酒をメインに仕込んでいるそうです。私が伺った時には、こちらでの仕込が終わり、平成蔵での高級酒の仕込に移行していましたので、蔵の中は静かなものでした。

 そして横にある平成蔵(平成になってから建てた蔵)に行って見学させて貰いました。この蔵は全国的にも有名な「菊姫」さんの蔵を参考にして建てられたそうです。建物の上から原料処理・釜場・麹室があり、下の階にもと場・仕込藏・槽場がありました。一番下には冷蔵設備の整った貯蔵庫があります。なにより驚いたのはこの蔵の方が仕込タンクが小さいこと。大きくても1200kg 普通は1000kgか750kgという小仕込みです。さすが高級酒を醸す蔵にふさわしい仕込量です。

 この仕込蔵でちょうど坂口杜氏にお会い出来ました。ここの杜氏の坂口幸夫氏は「開運」の杜氏で能登四天王と言われた波瀬正吉氏の元で、8年間酒造りの基礎をたたき込まれてそうです。私が伺った時も一人でタンクの櫂入れをしていました。そしてもろみの経過簿を見せてくれて、なにも隠すものはないから、何でも見て、聞いてくれとおっしゃいました。その純朴な振る舞いに感激しました。波瀬杜氏にお会いした時もそういう印象を持ったのを思いだしたので、能登杜氏のみなさんはそういう方ばかりだろうと推測されます。

 その時のお話しでも、「今年の米は難しい」と言いながらも、手をかけることを惜しまず、その年の米に合わせた仕込をするだけだとおっしゃっていました。なるほど、毎年ぶれずに美味しいお酒が出来る、秘訣を見ることが出来たような気がしました。杜氏さんの人柄はお酒に反映するなと思った日でした。


 また蔵とは別に裏にある廃線となった、能登鉄道能登線の鵜島駅と恋路駅の間にある宗玄隧道を利用したトンネル貯蔵庫を建設中でして、ここにトロッコを入れて「隧道蔵貯蔵酒」としてオーナー会員を募集するそうです。

 客間に戻ると、社長の徳力さん(県庁OB)がお帰りになっていたので、挨拶をして、時間も15時半を回っていたので、今日の宿泊地である金沢市内まで戻らなければならないので、そろそろお暇することにしたら、大門常務が今夜金沢市内で呑みましょうと、嬉しいお声掛けを頂き、夕食をご一緒することになりました。

 金沢の繁華街、香林坊近くの片町で食事をご馳走になり、大門常務と別れました。

          大門常務、大変お世話になりました。



「宗玄酒造」へ行く・・その前に「富美菊酒造」へ行く 2013/1/10(第141回)

 未だお伺いしたことのない宗玄酒造に行こうと思い立ち、その場所は?と調べてみると、能登半島の最先端である珠洲市でした。ここまでどうやって行ったらいいのか皆目見当もつきません。近くに能登空港があるので飛行機で行くのが一番早いのは理解出来たのですが、羽田経由となり運賃もそれなりにお高いようです。

 何とか安く行く手段がないものかと調べていたら、福岡から北陸へのANAツアーが安いことが判明。ならばこれしかないだろうと時間を調べると福岡空港が7時55分または17時の2便しかない事が判り、これは困った、空港に朝7時半までに着くためにはどうすれば・・宇佐駅で早朝5時20分の特急電車に乗れば、何とかギリギリで間に合いそうだ。時間的に厳しいけど、この方法しか思いつきませんでしたので、これで行くことにしました。

 昨年11月26日まだ真っ暗な午前4時に目覚ましをかけて、自宅を5時前に出ました。駅に着いてもお客さんもいなければ、駅員もいません。仕方なく待合室で待っていましたが、定刻を過ぎても電車がホームに入る合図もありません。5分くらい過ぎたころ遠くに電車が確認出来ましたので一安心です。何でも車両内の電気が付かなくて遅れたということでした。

 博多駅着が7時16分、そこから地下鉄に乗り換えなければならないので、この遅れは焦りました。幸い小倉駅の停車時間を短縮して時間通り博多駅に着くことが出来ましたが、ここからも問題が・・地下に降りて福岡空港行き電車に乗る訳ですが、こちらも遅れていました。しかも前の電車が出たばかり・・次の電車までの7分間の長いこと。博多駅から空港までは5?6分とわずかな時間しかかからないので、待つことがイライラします。おまけに小松行きは第1ターミナルで地下鉄の駅から最も離れています。まあ何とか間に合ったのですが、心臓に悪いです。


 9時15分に小松空港に着くとレンタカーの会社が搭乗出口のところまで迎えに来てくれていたので、空港近くの営業所まで行き手続きを済ませ、最初の目的地である富山に向かいました。ナビに目的地をセットして、高速道路で移動しました。まずは、数年前にうちにお見えになった「羽根屋」の富美菊酒造さんへ。こことはお取引はしていないのですが、せっかく北陸に行くのですから、是非蔵見学をとお願いしていました。

 蔵は富山の中心市街地から15分ほど離れた、神通川にほど近い百塚という処にありました。周りは住宅街で川向こうには大きな工場も見られます。

 11時頃伺うとお約束していましたので、以前お会いした羽根敬喜専務が蔵の中を案内してくれました。以前は相当造っていたようで、鉄筋造りの立派な蔵でした。
現在は、「すべてのお酒を大吟醸と同じ造りで」をモットーに手造り・小仕込みを徹底していました。

 その努力が報われたのか、今は夏にも造らないといけないほど商品が売れているそうです。ただ小さな蔵ゆえの改造点もあるということでした。羽根さんのひたむきな姿を頭に刻んで蔵を後にしました。


       羽根専務、お忙しいのに大変お世話になりました。



「尾澤酒造場」へ行く 2012/10/10(第140回)

 8月19日(日)に長野に行きました。その訳は、ANAクーポンが37.000ほど貯まっていたのと、尾澤酒造場さんには相当長い間お伺いしていなかったからです。

 ANAザ☆バーゲン東京(4〜10月)スペシャルフリープランを使うとリーズナブルに旅行出来る反面、都合の良いチケットが取り辛いというのが難点ですが、43.000円という魅力に負けて、このプランで行くことになりました。

 案の定、8時の飛行機は取れず、その後の10時25分の飛行機になりました。となると、東京駅から新幹線で長野までは1時間45分ほどかかりますから、飛行機の羽田到着時間からすると、13時の新幹線には間に合わない確率が高いので、14時05分の新幹線にしました。
 それだと長野に着くのは15時48分です。そのままレンタカーを借りて、蔵にお邪魔しても17時過ぎになります。これではご迷惑をお掛けするので、どこかで一泊して翌日ゆっくりと伺うことにしました。

 長野県には前回、福岡ー松本間の飛行機で尾澤酒造場さんにお邪魔して以来です。その時も飛行機の時間が悪く、お昼過ぎにお邪魔して蔵見学をさせて貰いましたが雪の季節で翌日の飛行機に間に合わないと困ると考えて、空港近くの宿で一泊してそのまま帰った記憶があります。

 なので今回は少し時間もあるので安曇野方面に宿を取って、周辺を散策してから蔵にお邪魔することにしました。それにしても大分は残暑厳しい時期ですので長野は、さぞかし涼しいのだろうと期待して行きましたが、見事覆されました。

 お昼過ぎにお伺いすることを伝えていましたので、尾澤社長とおくさまで杜氏の美由紀さんが待っていてくださいました。ご挨拶を終えて酒蔵の事務所に案内していただき、しばらく雑談を。実は長野県は軽井沢の方を除けば、高地は別として暑いということを聞かされました。この時期は30度を超えて、やはり残暑が厳しいのだそうです。(朝も涼しく感じませんでした)

 雑談後、蔵を案内していただきましたが、昔と変わったのは道路が広くなった為貯蔵庫が狭くなったことと、倉庫替わりだった建物をセットバックして、店舗兼事務所にしたことなどでした。内部は甑と原料処理の間の壁がなくなり、作業がしやすくなっていました。その他麹室の改造などなど細かいことを書くとキリがありませんが、槽の増設や冷蔵庫の増設など、かなりお金がかかっていました。

 なかでも大きな変更点は、21BYから仕込水を従来の井戸水(硬水)から、車で30分ほどのところから汲んでくる、山の湧き水(軟水)にしたことでしょう。

 その水のおかげで、従来なら生でも二年ほど熟成させないと飲めないほど強い酸を感じていたお酒が、その醸造年度のお酒でもすぐに飲めるようになったことです。もちろん酵母や麹の造り方を変えたこともありますが、最初この変化には驚きましたし戸惑いましたが、冷蔵庫で寝かす必要がなくなったことは大変有り難いです。

 さすがにレンタカーなのできき酒は止めましたが、このような良い変化を遂げている蔵元さんですので、今後とも良いお付き合いが出来ると思いました。ただ難点は製造石数が極端に少ないため、どのお酒もすぐに売り切れてしまい、定番商品を確保するのが大変なの事です。

 次回は名物のジンギスカンをご馳走していただく約束をして蔵を後にしました。

          尾澤さん、大変お世話になりました。


今回のオマケ

牛に引かれて善光寺参りの「善光寺」が長野市にあることをまったく知らず、新幹線を降りて駅前の案内表示で初めて知りました。そこで帰りにお参りしてきました。

もう一つ、善光寺の駐車場で東山魁夷の名前を見つけ、長野県信濃美術館東山魁夷館に立ち寄りました。まさか日本画家の巨匠である東山魁夷の作品を目にすることが出来るなんて、嬉しくてたまりませんでした。新幹線に乗車する時間がもう少しあれば・・・長野は雄大な山々の景色が印象的で素敵なところでした。



「八戸酒造」へ行く 2012/9/25(第139回)

 新規の取引をお願いすべく青森県まで行ってきました。蔵元は八戸市にある「八戸酒造」さんです。地図で見るとこんなところ?というほど遠いです。私も東北には行きましたが、青森県は初めてです。飛行機だと一番便利なのでしょうが、三沢空港には全日空が乗り入れていませんので、乗り継ぎ割引がないため東京からは新幹線で行くことにしました。

 7月16日、7時45分の飛行機で羽田へ10時56分の新青森行き新幹線に乗り込んで八戸に着いたのは14時04分、そこからさらに八戸線という在来線に乗り換えて5ヶ目の陸奥湊という駅で降りました。到着したのは14時28分ですので、家を出てから7時間以上かかったことになります。(やはり遠い)

 雨が降る中、陸奥湊の駅までは駒井秀介専務が車で迎えに来ていただきました。蔵までは車でわずか数分、500mもないほどの近さでした。蔵は古い造りながら重厚でいかにも老舗蔵という趣で、そこに立つだけで、歴史を感じることができるような建物です。

 中に入ると大きな梁や柱が蔵の歴史を語りかけてきます。入ってすぐ左側にコンサートやお酒の会などできる小ホール。右側には試飲室兼用の応接室。さらに奥に進むと蔵の入り口がありました。蔵の入り口には、もともとの社名「駒井 醸造元」の文字が・・そこを抜けて階段から2階に上がります。そこには原料処理のための施設、精米機や甑・麹室・もと場などがあります。1階には仕込みタンクが並んでいまして、奥に槽場があります。

 コンパクトな造りながら、効率的な作業ができるような配置になっていました。1000石あまりの製造量を5名でこなすそうですので、いかに大変かが想像できます。その仕込蔵で目に留まったのが鉄骨の梁です。後々、補強のために使ったのだろうと思っていたら、なんと蔵を建てた時のものだそうで、その鉄骨はヨーロッパから運んできたそうでして、それ自体が珍しいものなので建築関係の見学者も、時々見えるそうです。

 その後、貯蔵庫を見せてもらいましたが、数カ所に分かれていて貯蔵温度も異なります。生酒はもちろんのこと、火入れをしたお酒もすぐに冷蔵庫に入れるので、これだけたくさんの冷蔵庫が必要だということでした。

 見学が終わり、入り口右側の試飲室で自慢のお酒を試飲させていただきました。陸奥八仙のシリーズは、30歳前後という若い人が造るお酒だけあって、フレッシュ感たっぷりの香り高いお酒です。まさに今のトレンドを掴んだお酒ですね。それに比べて「いさり火」は、八戸の漁師が好むような男性的なお酒になっています。また「男山」は2回火入れで地元でもレギュラー商品的なかなり辛口なお酒です。冷やはもちろんお燗にしてもおいしいしっかりしたタイプのお酒です。

 敢えていえば、陸奥八仙のシリーズは「トレンディタイプ」男山は「トラディショナルタイプ」とでも申しましょうか、同じ蔵でも全く異なるタイプのお酒です。

 蔵見学を終えて、津波に遭った八戸漁港をぐるっと見学し、繁華街にあるホテルまで弟の伸介さんに送っていただきました。この日は八戸の「七夕祭り」でしたが、あいにくの大雨で歩行者天国になる予定の大通りも屋台だけは開いていましたが、人通りも少なく若者たちや観光客も残念でならないようでした。その夜は駒井さんにおいしいお魚の店に連れて行ってもらい、八戸の旨いものを堪能しました。


          駒井さん、大変お世話になりました。


「渡邊酒造場」へ行く 2012/9/10(第138回)

 7月14日、黒木本店さんにお伺いした翌日宮崎はいい天気でしたが、大分にはまたまた大雨洪水警報が発令されていました。この日はあの「九州北部豪雨」で大きな被害が出た時です。心配なので店に電話を入れると田染は雨は降っているものの「それほどでもない」ということでしたので、急遽渡邊専務に電話を入れて、今から伺ってもかまわないか尋ねると大丈夫という事になりましたので、足を伸ばすことにしました。

 高鍋からは東九州道を使えば、1時間弱で行けますので、ついでと言っては失礼ですが、芋の圃場を見学したことがなかったので、見せていただくのが目的です。

 高鍋を9時過ぎに出発し、10時頃には蔵に到着しました。挨拶もそこそこに畑に案内して貰いました。今年の植え付けは黄金千貫が一町歩、大地の夢が六反ほどだそうです。平均反収は2.5トンほどだそうで、豊作の年には3トンを越えることもあるそうです。昨年は不作で2トンを切ったそうです。これほど違うと仕込める量も年によって相当差が出るのもうなずけます。(当然、焼酎の生産量も大幅に変わることになります)

 最初に黄金千貫の畑を案内していただきましたが、蔵からはそれほど離れてないところでした。そこに大きな甘蔗畑が広がっています。どのくらいあるのか尋ねるとそこが八反ほどの圃場だそうです。青々と繁った葉っぱが今年の豊作を期待させます。葉っぱの裏の葉脈を見ると黄金千貫の特徴である紫がかった葉脈でそれと判ります。

 このくらいの畑で、植え付けにどのくらいかかるのか尋ねると、約一週間かかるのだそうです。手作業で植えていく訳ですから、けっこうな重労働です。もっとも掘るのは、それ以上に大変でしょうけど。

 続いてちょっと離れた大地の夢の圃場へ向かいます。こちらは田野駅の裏手方向田野運動公園の近くです。ここでは大地の夢が六反、黄金千貫が二反並んで植えられていました。大地の夢は裏の葉脈には、黄金千貫のような色は着いていません。こちらの圃場の方がこころなしか虫の害が少ないようで、キレイな葉っぱが風に揺れていました。

 畑を見ただけのバタバタした訪問となりましたが、大地の夢の圃場(葉っぱ)を見ることが出来たので、大変参考になりました。次回は収穫の時期に伺いたいですね。と話し蔵を後にしました。

オマケ:田野町から5時間かけて、家に帰りました。軽自動車なので疲れたぞ。

          渡邊さん、大変お世話になりました。


「黒木本店」へ行く 2012/7/25(第137回)

 黒木本店さんに行くのは、交通手段もですが、アポが取れずに大変です。今回も6月からお願いしていたのですが、6月中は無理でして7月13日にやっとタイミングが合い伺うことが出来ました。

 8時半に家を出て大分市内で用事を済ませ、お昼の食事をするために立ち寄った川南町に着いたのは12時半でした。う?んやはり4時間はかかりますね。午後2時にお伺いするようにしていましたので、時間を調整してからお邪魔しました。

 大分を出る時は大雨警報が出るなど、ホントに行けるだろうかと不安でしたが、宮崎はお天気が良くて、まったく雨に遭いませんでした。(実はこの日、再度豪雨が九州北部を襲い、大きな災害が発生したのです)

 ちょうど玄関で角上工場長と一緒になり「ぴったしですね」と声を掛けていただき黒木本店さんの事務所に入りました。二階に通していただくと、何やら若い人が
角上工場長と上がってきました。ご挨拶すると黒木社長の次男さんということで、6月に帰郷して蔵の製造部を手伝っているそうです。


 ちょっとお話しして本店蔵を見学させていただきました。この時期本店の蔵では麦焼酎(中々)の仕込をしていました。まずは、一次仕込の酒母室の甕がある部屋から見学です。

 この部屋では、酒母を健全に醗酵させるために密閉された清潔な空間になっています。もろみの醗酵によりクエン酸を生成するため、クエン酸の臭いが部屋の中に充満しています。少しずつ大きさの異なる甕では沸々ともろみが踊っていました。

 ここで4日過ごしたもろみは、その後、二次仕込用の大きな木槽に移されます。そこでさらに麦麹とドラムで蒸した麦と水が投入されて二次仕込が行われています。ここで13日ほど過ごしたもろみが、いよいよ蒸留器に入れられ蒸留され焼酎となります。


 蒸留は減圧蒸留というライトタイプに仕上がる蒸留方法ですが、黒木本店さんが凄いのは、出来上がった焼酎のバランス感覚が素晴らしく、とても飲みやすいのですが、飲み応えもあり、かつ飲み飽きしないという「良いとこ取り」の麦焼酎です。

 この時点では焼酎は原酒と言いましてアルコール度数は40度以上あるのですがその出来上がった焼酎を原酒のまま、角形の巨大なタンクに入れて、数年熟成させた後頃合いを見計らい割り水して、瓶詰めされます。

 これが焼酎造りの工程ですが、すべての面において清潔さと緻密さが感じられる造りは、業界のリーダーシップらしい洗練された工程でした。最近では4合瓶を自社専用に切り替えたのも、そのプライドのなせる業かなと推察しました。


 それから車で圃場を見学して廻りました。まずは麦の「ニシノホシ」ほぼ無農薬で栽培しています。全量賄うことは出来ませんが、自社で出来る部分は可能な限りオーガニック認定が取れるような育て方をしています。それは芋の「黄金千貫」、「ジョイホワイト」や「玉茜」にも言えます。そして芋焼酎を造る時の麹米となる長粒種の「ミナミユタカ」では、68町歩に及ぶ契約栽培で育てています。

 最後は尾鈴山蒸留酒に案内していただき、蔵の見学と増床された7個目の貯蔵庫を見学して午後5時半頃、事務所に戻ってきました。

 角上工場長・黒木さん本当に丁寧に見学させていただきありがとうございました。
             大変お世話になりました。


「宮泉銘醸」へ行く 2012/6/10(第136回)

 廣木さんとの話の中に出てきた宮泉銘醸さんは、会津若松の街中、鶴ヶ城の側にあるという事でしたので、早速帰りに宮泉銘醸さんに寄らせていただく事にしました。約束の時間まで少しあったので、ちょっとだけ鶴ヶ城も覗いてきました。城内には桜の古木がたくさんあり、満開になったところを想像すると素晴らしいお花見スポットでした。まだまだ桜の蕾も小さく開花はだいぶ先のようでしたが、掃除の行き届いた城内は素敵で、また改めて行きたいお城です。

 宮泉醸造さんは観光蔵でした。蔵の裏側に大きな駐車場があり、大型バスも数台停めることが出来ます。その時も1台大型バスが入っていまして担当の女性が観光客のみなさんを案内していました。その駐車場で待っていると、社長の宮森さんが出てこられて案内していただきました。

 観光蔵と行っても甑のあるところを少し覗ける程度でして、主には昭和55年開館の「会津酒造歴史館」と商品の販売がメインのようでした。ところが、その直売所では「写楽」を買うことが出来ません。地元銘柄の「宮泉」だけの販売だそうです。


 宮森さんはまだ30代前半くらいの若者です。先代の社長の後を継いだのが、数年前、その時から若さとバイタリティーで「写楽」ブランドを成長させてきたそうです。タンク3本ほどの仕込から現在は40本以上の写楽を醸しています。

 蔵は昔ながらの造りで、特別に変わったことをしている訳ではありません。圧巻は冷蔵庫です。瓶で貯蔵した1年分のお酒が入るという大きな冷蔵庫です。宮森さんは、とにかく火入れを済ませたら、品温をすぐに下げるために冷蔵庫へ入れるそうです。そうすることによって、お酒をフレッシュな状態に保つことが出来るらしいのです。ちょうどその時も火入れの最中でして、火入れが済んだお酒を冷蔵庫に搬入していました。

 今年は蔵の改造にも着手するということで、これからのお酒造りに目が離せない注目の若手酒造家です。後日、お酒を送っていただきましたが、本当にフレッシュなお酒でして、彼の情熱が伝わってきました。

           宮森社長、お世話になりました。



「廣木酒造本店」へ行く 2012/5/25(第135回)

 仙台に宿泊した翌4月17日、廣木酒造本店さんにお邪魔するために午前8時過ぎの東北新幹線に乗り、仙台から郡山に向かいました。乗車時間は、わずか40分ちょっとなので郡山に9時前に到着します。

 郡山駅からは、レンタカーを借りて、会津坂下まで行くのですが、何を勘違いしたのか道を間違ってしまい、49号線経由で郡山ICで行くはずが、4号線を北上して本宮IC付近まで行って、郡山ICに戻ってきたので30分以上遠回りしてしまいました。(オマヌケです)

 それでも1時間半ほどで、蔵の近くにある新鶴スマートICまで行くと、そこからはすぐです。蔵では仕込が続いていまして、藏人さんたちが忙しく働いています。
廣木さんに挨拶して、座敷に通され震災後の経過をお聞きしたりしましたが、それほど甚大な被害もなかったと言う事でした。それよりも3月の突風で、屋根の一部(甑上部の蒸気抜き)が飛んでしまい補修工事をしているという事でした。


 いつものことですが、廣木さんにお邪魔した時は蔵を見学するというよりもお酒(酒質)のお話しがメインで、ほとんどそれで終わってしまいます。今回は前々日に東京でお会いしていましたので、その時のお酒の話で盛り上がりました。

 で、やはりカプロン酸系のお酒は食べ物に合いにくいという考えで一致しました。もちろん飲めない事はないのですが、食べ物との相性という観点から見ると、厳しいものがあります。いま流行っているお酒は、この香り系のお酒が多いですね。その中でも今注目している蔵はという話になり、紹介していただいたのが、宮泉醸造さんの「写楽」です。えっ、写楽?写楽といえば東山酒蔵さんではとお聞きしたら、東山酒造さんが廃業する事になり、親戚筋にあたる宮泉醸造さんに写楽ブランドが移行したという事でした。以前はうちも扱っていたのですが、東山酒造さんが辞めるというので取引もなくなりましたが、こういう形で継承されていたとは・・・

 しばらく話し込んでいましたが、ちょうどお昼になったので早々に蔵をあとにし
ました。廣木さんお忙しいところありがとうございました。



「阿部勘酒造店」へ行く 2012/5/10(第134回)

 4月16日(月)の前日「フロンティア21」のお酒の会で東京にいましたのでそのまま宮城県まで足を延ばしました。週初めの朝という事で、相当混雑するだろうと予想して、東京駅を7時に出るような気持ちで、日程を組みました。

 赤坂のホテルを6時半過ぎに出て、東京駅に7時頃着きましたので、そのままチケットを買い、指定された新幹線(はやて)で仙台へ向かいました。仙台には8時58分と1時間40分ほどで到着です。そこから仙石線に乗り換えて、レンタカー会社のある西塩釜まで行きました。ところで仙石線て仙台駅の一つ先のあおば通駅まで延びているので、ホームが地下のかなり深いところにあり驚きました。意外!

 途中、大宮を過ぎた辺りから桜の花を見なくなり、仙台ではやっと梅が少し咲いている程度です。東京では、ほとんど花が散ってしまっていたのでビックリです。日本列島は南北に長い事を実感しました。


 西塩釜駅に9時40分に着いたので、そこからレンタカー会社に電話をして11時からの予約時間を1時間早めて貰いました。西塩釜のレンタカー会社から阿部勘酒造店さんまでは、すぐでした。途中右側に浦霞の佐浦さんを見ながら進むと500mほどで塩竈神社下にある蔵元さんに着きました。

 10時過ぎにお邪魔すると杜氏の「平塚敏明」さんが事務所で待っていてくださいました。平塚さんが杜氏になってからは初めての訪問ですので、お会いしたかもしれませんが、初対面と同じです。

 一通りの挨拶を済ませ、平塚杜氏と雑談をしていましたら、以前は「新日鐵」にお勤めしていたそうで、大分にも数ヶ月滞在した事があるという事でした。今では大分の街も様変わりして、大分駅が高架になったとか、都町が以前ほどの賑わいがないとか現状を伝えると懐かしそうでした。その新日鐵を退社後、阿部勘酒造店に入社したという事でした。そして前杜氏の伊藤さんが亡くなられたのを機に、杜氏になりました。


 お茶をいただいたあと、さっそく蔵を見学させていただきました。私が最後にお伺いしてからだいぶ経ちますが、その時にはすでにこの藏はありましたので、ほとんど覚えています。まずは二階の原料処理・甑・麹室・製麹機・もと場を案内して貰いましたが「杜氏さん」という製麹機の記憶が・・・

 「杜氏さん」という半自動製麹機。普通一日目を床で麹を作り、二日目には麹蓋に盛りますが、その二日目の作業をしてくれる製麹機です。一日目を床で過ごした麹を8?9kgの専用の麹蓋に入れます。この麹蓋が20枚入りますので、製麹機が2台あるので40枚の麹蓋が入る事になります。つまり320kgの麹が作れるという事です。通常麹蓋を3時間ごとに積み替えたりして「手入れ」をするのですが、その作業を機械がしてくれるのです。これによって寝ずの番をしていた藏人(麹屋)の作業が大幅に軽減できるということです。

 一階に下りると仕込蔵・槽場・貯蔵庫などがあります。当日は今期最後の搾りをしているところでした。貯蔵庫は二階にもありましたが、併せると年間製造石数の大半を貯蔵できるような大きさを持っています。二階の貯蔵庫は、主に吟醸以上のお酒でー3?で貯蔵しているそうです。一階の貯蔵庫にはタンク貯蔵と瓶貯蔵で、年間通して5?以下で貯蔵しているそうです。

 平塚杜氏は、宮城のお米にこだわり、宮城の酵母を使い、塩竈の地酒としてこの藏のお酒を造っていることが、今回の訪問で再認識できました。


 余談ですが、昨年の東日本大震災では津波が道路の前までは来たものの、敷地内には入ってこなかったそうです。しかもあの地震にも拘わらず、お酒の破損もほとんど無かったそうです。まさに奇跡に近い事です。500m海側にある浦霞の佐浦さんの本社蔵は土地が低い事もあり胸くらいまで津波が来て、大きな損害を被ったそうです。11時半ごろ、蔵をあとにして次の訪問先、南三陸町を目指して出発しました。

         平塚杜氏さん、大変お世話になりました。



「山忠本家酒造」へ行く 2012/4/25(第133回)

 3月3日(土)に三宅彦右衛門酒造さんから車で米原まで戻り、そこから電車で名古屋に入りました。駅前にホテルを取っていたので、名古屋在住の甥っ子を誘い出して飲む事にしました。久しぶりの名駅は、飲食店が増えていてとっても賑やかになっていました。

 翌4日は大分に帰るために、18:30の飛行機に乗らないといけないので、山忠本家酒造さんには午前中お伺いしました。名鉄のコインロッカーに荷物を預けて、電車で30分ほどの最寄り駅の日比野まで行き、そこから蔵まで徒歩10分で辿り着きます。造り自体は継続中ですが、吟醸関係は終わっていますので、蔵はゆったりした感じでした。


 事務所で挨拶をすませ、槽場(搾り)として使っている部屋に向かいます。ここが例年試飲会場として使われています。そこには今年搾ったお酒が11本、それとレギュラーのお酒が2本、あとは14BYから22BYの熟成酒が24本並んでいます。今年は蔵に在庫が増えたという事で、新酒が11本と少なめでしたが、それでもこれだけのお酒を利き酒するのはけっこう大変です。

 今年の傾向としては例年より味が乗っている感じでした。いつもは若くて渋いという印象なので、今年はやわらかくて早く飲めそうな気配です。それでも40%や30%は、夏を越さないと難しいでしょうが・・・この試飲でその年の傾向と飲み頃予想をするのですが、なかなか思うように熟成が進まないのが現実です。

 冷蔵庫の温度を上げれば、熟成は早く進みますが、その反面老香(ひねか)は出やすくなります。特に生酒しかも山田錦とくれば相乗効果で簡単に出ます。私自身が好きではないので、なるべく老香を出さないように気をつけているのですが、稀にお酒によって火入れでも出やすいものがあります。

 とりあえず、今年の仕入れ分だけを先に利いてから、熟成酒の試飲にかかります。
仕入れる予定はないのですが、自社冷蔵庫の熟成酒の味の参考になればと思いますので、こちらも一通り飲んでみました。24本もありますので、かなり酔いも回ります。さすがに前杜氏の佐藤勝郎さんのお酒は出ていませんでした。


 早めに試飲が終わったので、夕方の飛行機ですから、時間つぶしに国宝犬山城を訪れる事にしました。名鉄の名古屋前金まで戻り、新鵜沼行きの快速特急に乗り換えれば、25分で犬山の駅に着きます。

 駅に降り立つとあいにくの雨となり、天守閣に登っても遠くの景色が見えず残念でしたが、意外と小さいのには驚きました。しかし近くにある庭園有楽苑と国宝の茶室如庵は雨に濡れて情緒がありとても良かったです。2日間のうちに国宝のお城を2ヶ所廻れたのは今回の収穫でした。


          山田社長、大変お世話になりました。



「三宅彦右衛門酒造」へ行く 2012/4/10(第132回)

 3月2日(金)に松瀬酒造さんにお邪魔した夜は、ホテルを取っていた彦根駅の東口に降り立ちましたが、それこそコンビニもない殺風景な場所にホテルと大手の家電店があるくらいで他は何もありません。所詮寝るだけなので、どうでもよい事ですが・・・

 翌日は、三宅さんの都合で午後2時過ぎに来て欲しいと言われていましたので、西口にあるレンタカー会社に行き、車を借りて国宝彦根城を見学しました。なにせ国宝のお城は全国に4ヶ所しかないとの事、せっかく彦根に宿泊したんだからそれを口実に・・・実に素晴らしいお城でした。優美でしかも凛とした佇まいは背景の琵琶湖に良くマッチしていました。

 お城も良かったのですが、黒門から出たとこにあるお堀の横の「玄宮園」がまた素晴らしかったです。あいにく工事中で池の水が少なくなっていましたが、それでも日本庭園の素晴らしさを満喫できました。

 約1時間ほど歩き回り駐車場に戻ると、すでに満車で多くの観光客が来ています。
私は早く入ったのでそれほど混んでいませんでしたが、帰り際に見るとさすが国宝多くの来場者で賑わっていました。

 彦根城から彦根インター経由で、名神高速道路経由して北陸自動車道に入ります。
まだまだ時間に余裕があるので、ちょっと足を伸ばして曹洞宗の本山永平寺に行きました。福井市内から意外と近いのには驚きでした。福井市内では残っていない雪も、ここではまだタップリと積もっていました。土曜日という事もあり、ここも多くの観光客で賑わっていました。福井北インターから敦賀インターまで戻り蔵には予定通り午後2時半頃到着しました。


 お茶をいただき早速蔵を案内していただきました。最初に昨年作ったという冷蔵仕込蔵です。ここには槽もあり、上槽まですべてこの中で出来るようになっていました。ここでは640kgの仕込が6本、500kgが2本仕込めます。小仕込みなので吟醸酒を主体とする高級酒を仕込んでいます。

 隣の酒母用の冷蔵庫兼貯蔵庫を見学して昔の蔵を見せて貰いました。こちらは少し大きなタンクが設置していまして、冷蔵庫の蔵より大きな900kgの仕込が6本出来るようになっています。こちらにも槽があり純米酒や本醸造はこちらの蔵で仕込んで上槽まで行っています。

 今年のお酒を利かせていただきましたが、どれも早瀬浦の個性を表したお酒でして、存在感がありながらキレの良さを持ち合わせた、芯が一本通った主張もありながら、どんな料理にも合わせられる懐の深さもあるお酒です。


 三宅さんの蔵は仕込が小さいので蔵もかなりコンパクトです。後ろが山という事もあるのでしょうが、小さな港町にひっそりと佇む蔵という印象で映画にでも出てきそうな感じのお蔵さんです。

 三宅さんの所では毎年少しずつですが増石しています。福井県内には小さな蔵元さんが多いという事ですが、増石出来る蔵は少ないそうです。お酒をみてわかるように丁寧に小仕込みで造られたお酒は評判も良く、派手さはないものの堅実な造りにファンがついていることがわかります。わずか300石ほどの造りを5ヶ月かかるのが、何よりの証拠だと思います。

 益々の蔵のご繁栄と二人目の赤ちゃんの無事出産を祈念して蔵を後にしました。 帰り際には、お母さんに手造りの美味しい梅干しを毎回お土産にいただきます。

         三宅さん、大変お世話になりました。



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