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 今やどんな人でも失敗無く写真が撮れる。しかし、プロカメラマンは必要無くなるということはない。

 プロカメラマンはシャッターを押す瞬間には、その写真がどのようなメディアでどのように機能していくものか想定している。新聞のトップ記事の写真、パンフレットの表紙、街角に張り出されるポスター。あるメディアの中でその写真が的確に機能してプロの仕事の質が決まる。
 今、HP制作はIBMの「ホームページビルダー」、アドビの「ゴーライブ」など様々なホームページ作成ソフトを使えば、ワープロ感覚でできるようになった。難しい操作の必要はない。簡単に写真を取り込めるデジカメも普及、ちょっとしたCGなどは素材集から手に入る。
 しかしHPもメディアである。ただ美しくレイアウトして自分のパソコンの中だけに収まっているものではない。また、マスメディアでの広告とも違い、自分の意志によって情報を得ようとする人に必要な情報を発信者からの自己発信として提供するメディアとしての機能を持たなければならない。

 ある日、ある中堅建設会社のコンピューターシステム担当者のAさんが社長に呼ばれた。
「わが社のホームページを作ってくれ」
ホームページの必要性を説かれた社長が、中学生でもホームページを作っていると聞いて、コンピューターの専門家なら大丈夫と思ったのである。
 しかしワープロを打てるからといって小説を書けるというわけではない。メディアクリエーターとコンピュータ技士とは違うのである。今や企業にとって、HPはEコマースなどによる直接的利益の為だけではなく、企業の理念、実績を世に提示する自社の信用の鏡となっている。検索し自分の意志でマウスをクリックして情報を得ようとする人達に、それなりの質の情報を届けなければならないのである。

アウルネットワーク 松村亮司

2000年 大分合同新聞連載「デジタルの小窓」へ執筆


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